CROSS FIELDS
SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を達成するために
見出し画像

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を達成するために

CROSS FIELDS

昨今の社会的な流れも受け、SDGsへの取り組みを掲げる企業が増えてきました。

SDGsのなかでも重要なゴールのひとつに「ジェンダー平等」があります。
今回はSDGsの目標5に掲げられたジェンダー平等のターゲットを説明し、日本のジェンダー課題の現状やジェンダー平等に向けて企業の人事部ができることを解説します。

ジェンダー平等を目指すSDGs5と9つのターゲットとは?

画像1

SDGsの目標5で掲げられているジェンダー平等には、9つのターゲットが設定されています。ここでは、その中からジェンダー平等の前提となる「5-1」と、企業の取り組みに関連する「5-4」「5-5」を取り上げて解説します。

■ターゲット5-1

「あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。」

ここの「あらゆる場所」には企業組織も含まれます。女性に偏見や差別のある職場環境は改善が必要ですが、特に重要となるのはアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)です。

合理的な理由もなく「これは女性向きの仕事」というような性別だけでの判断がなされていないか、今一度確認する必要があります。

■ターゲット5-4

「公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、並びに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。」

家庭内の子育て、介護や家事には報酬が支払われません。しかし、報酬のある仕事と同様に社会的価値のあることだと認めて評価が必要だと説いています。

企業は、家事や育児・介護と仕事が両立しやすい仕組みづくりを進めることが大切です。ターゲット5-bで示されている「女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する」ことが解決策の1つといえるでしょう。

■ターゲット5-5

「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。」

2020年の日本企業における女性管理職比率の平均は8.1%と低く、平等なリーダーシップの機会が確保されているとはいえない状況です。女性社員の数や、女性の総合職採用を増やすなど、女性管理職の比率を高めるための土台づくりから着手することが求められています。

日本のジェンダー課題の現状

画像2

企業におけるジェンダー課題に取り組む前に、日本のジェンダーギャップの現状を正しく理解しておく必要があります。ここでは日本が直面している代表的なジェンダーに関する課題を紹介します。

■ジェンダーギャップ指数は下位に低迷

ジェンダーギャップ指数とは、世界各国のジェンダー平等の進展度合いを指数で表したものです。日本は2021年のジェンダーギャップ指数の世界ランキングで156カ国中120位に低迷しています。

特に政治・経済分野でのスコアが低く、日本企業は女性社員に対する雇用システムや賃金体系の見直しが必要です。

ジェンダーギャップ指数については、こちらの記事で詳しく解説しています。

■家事や育児の中心はいまだに女性

ジェンダー平等が様々なシーンで叫ばれる時代においても、いまだに家事や育児は女性がほとんど行っているのが現状です。総務省の調査では、夫婦共働き世帯でも男性が家事をする割合は23.3%、育児は31.0%にとどまっています。

男女を問わず家事・育児と仕事が両立できるような仕組み・環境づくりが企業に求められています。

■理工系の進路を選ぶ女性が少ない

大学の理学部の男女比をみると女性進学者の割合は27.9%、工学部はさらに少なく15.4%です。日本の女子学生は数学の苦手意識が強い傾向がありますが、OECDの調査による15歳での理系科目の学習到達度は、ほかの先進国の男子平均より高いことがわかっています。

この結果より「日本女性は理系的思考や数的処理能力が低い」とは言い難く、理工系の進学率の低さも他の原因が考えられます。そのひとつにジェンダーバイアスがあげられます。「女性は文系科目が得意」「理工系職業は女性向きではない」というジェンダーバイアスが、理学部や工学部への進学を妨げる一因となっている可能性があると考えられるでしょう。

SDGsのジェンダー達成に対して人事部ができること

画像3

SDGsの5、ジェンダー平等を達成するために企業にはどのような取り組みができるでしょうか。SDGs5のターゲットを交えて、人事部が行えるジェンダー課題への取り組み方を説明します。

■ジェンダーに配慮した採用や組織づくりを行う

SDGsターゲット5-5「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。」を達成するために、企業では雇用や昇進におけるジェンダーギャップをなくす取り組みが挙げられます。
ターゲット5-4では家事や育児・介護を認識・評価することに言及しており、企業人事は出産や育児などのライフイベントでキャリアが妨げられない工夫をすることでジェンダー平等に取り組めるでしょう。

■ジェンダーの理解浸透を促す研修を実施

全ての年代においてジェンダーの理解浸透を図る研修が必要です。これまでの人生経験でジェンダーについての課題を意識してこなかった社員には、何が問題なのかわからないためです。企業として組織的にジェンダー課題に取り組むには、社員一人ひとりがジェンダーとは何かを知り、ジェンダー課題を理解する必要があります。

研修を通して、自分が持っているアンコンシャスバイアスに気付くことも重要です。

■社内のジェンダーフリー化に取り組む

ジェンダーフリーとは男女の性にもとづいた区別や役割分担にとらわれず、平等で公平に行動できるようにする考えのこと。制度だけではなく、物理的な環境設計においてジェンダーフリー化に取り組むことが大切です。たとえば企業のオフィスではトイレの一部を男女兼用にしたり、制服の見直しを行ったりするなどの対策が考えられます。意識的にジェンダーフリー化を行うことが大切です。

SDGsを達成するためにジェンダー課題に取り組もう

画像4

2021年の流行語大賞にノミネートされるなど日本でも注目度が高まるSDGsですが、流行で終わらせるのではなく実現に向けた取り組みが大切です。

SDGsでは目標5だけでなく、SDGs全体の目標としてもジェンダー平等を重視しています。SDGs達成を掲げるならば、ジェンダー課題も取り組む必要があるということです。企業においてはジェンダーに配慮した採用や組織づくりのほか、社内のジェンダーフリー化の推進などがジェンダー平等に向けた具体的な手段として挙げられます。

また、取り組みをスムーズに進めるためには、企業全体でジェンダーの意味や課題を理解することが不可欠です。研修などを通じてジェンダー課題に対する社員の意識向上を図りましょう。

企業としてジェンダー平等に取り組むことは、SDGs 5の達成だけでなく、必要性が高まっている「ダイバーシティ&インクルージョン」実現にもつながるでしょう。

NPO法人クロスフィールズは、社会課題体感フィールドスタディやVRワークショップなど「多様な人や価値観と出会う」事業を通じて、企業のダイバーシティ経営の加速を支援しています。具体的な取り組みは公式noteやホームページでご紹介しています。ぜひ参考にしてください。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!
CROSS FIELDS
「社会課題が解決され続ける世界」をめざすNPO法人クロスフィールズの公式noteです。新しい取り組みの数々や、その裏にある一人ひとりの物語をお届けします。創業10周年の特設webページはこちら:https://crossfields.jp/10th/