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日本からグローバルに社会課題を解決!2人の挑戦ストーリー

ビジネスパーソンが新興国のNPOや社会的企業で社会課題の解決に挑む「留職」。異なる価値観のなかで数々の壁に直面しながら現地の課題に取り組む過程で、参加者のリーダーシップが育まれるプログラムです。しかし新型コロナウィルス感染症拡大により海外渡航が困難となり、新興国での実施は難しい状況に。そうした中でも留職の取り組みを継続すべく、クロスフィールズでは日本国内のNPOや社会的企業で課題解決に挑む「国内留職」をスタートしました。国内留職の実施パターンのひとつに、英語も駆使しながら社会課題を解決する「グローバル型」があります。

「日本にいながら、アフリカの社会課題に取り組む」「多国籍スタッフを巻き込んで、リーダーとしてプロジェクトを進める」―国内留職の参加者は、普段とは全く異なる環境に身を置き、答えのないなかで自ら道を切り拓くことを求められていきます。

果たして日本でもそんな経験ができるのだろうか‥‥?という疑問に答えるべく、今回はグローバルな社会課題の現場で奮闘中のプログラム参加者をレポートします!

今回お伝えするのは、SOMPOホールディングス株式会社から参加している熊田さんと原さん。熊田さんはアフリカの起業家に投資を行うUNCOVERED FUNDに、原さんはグローバルなチームで環境保全活動に取り組むmymizuにそれぞれ留職中です。SOMPOホールディングスからはお二人を含む8名が、今年6月下旬から来年2月末までの9ヶ月にわたって国内留職に挑んでいます。(参加者の派遣先一覧。詳細はこちらのプレスリリースをご覧ください)

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プログラム開始から3ヶ月時点のお二人は、新しい環境でチャレンジの日々を過ごしていました。ぜひご覧ください!

UNCOVERED FUND に留職ー熊田さんのケース

株式会社UNCOVERED FUND(アンカバードファンド・以下UF)は、アフリカをはじめ、新興国のスタートアップに投資などを行うベンチャーキャピタルです。起業前もしくは起業直後のスタートアップに投資することで、彼ら・彼女らとともに現地の課題解決に取り組みます。投資領域はエネルギー関連、流通、ヘルスケアなど多岐にわたります。熊田さんは投資業務や現地のマーケット調査、新規事業開発などを担当。代表である寺久保拓摩さんの右腕として日々業務に取り組んでいます。

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UF代表・寺久保さん(写真下)にプレゼンする熊田さん(写真上)

いままで営業を担当してきた入社6年目の熊田さん。社会で必要とされる人材となるために、違う環境でチャレンジしたい、と留職に参加しました。

そんな熊田さんのモチベーションに応えるように、UFでは挑戦の数々が待っていました。なかでもチャレンジの連続なのが投資業務です。これは投資を希望する起業家からビジネスプランを聞き、結果を社内にレポート、そしてビジネスプランの深掘りをするというもの。起業家とのやりとりはすべて英語です。英語を使ってビジネスをした経験がほぼゼロだった熊田さんも、いまでは会社を代表して一連の投資業務をひとりで担当しています。

「正直、『国内留職』と聞いたときは英語をあまり使わないだろう、と思いました。でも実際は英語を使えないと通用しない環境で驚いている。アフリカの起業家たちと直接やりとりするため、現地で働くのとほとんど変わらない感覚です」

20社のスタートアップを担当するなかで失敗も経験したと言います。

普段は自分が質問をする立場。でもある日、起業家から『他のベンチャーキャピタルとの違いは?』などの逆質問を受けたとき、何も答えられなかったんです。そんな自分に愕然としました

マニュアルが通用しないことを痛感した熊田さんは、この失敗から臨機応変な対応へと意識を変えて働くようになりました。

そんな新しい挑戦も「ワクワクの連続」だという熊田さんは、アフリカの起業家たちが持つ情熱から刺激をうけつつ、UFの代表・寺久保さんから経営者の視点や分析力を学ぶ日々が続いています。

寺久保さんも「会社として一気にスケールアップしていくタイミング。そのため熊田さんには自分が引っ張っていくくらいの意気込みで、大きな意識決定にも関わってもらいたい」と期待を寄せるほど活躍中の熊田さん。とにかくUFに貢献することを通じて世界を変えていきたい、という強い意志のもと、来年2月末まで駆け抜けます。

mymizu に留職ー原さんのケース

原さんの留職先は、一般社団法人Social Innovation Japanが運営するmymizu (マイミズ)です。メンバーの多数が海外にルーツをもち、団体内部での公用語は英語という非常にグローバルな組織です。日本におけるプラスチック消費の削減や、環境保全に取り組んでいます。そのひとつに、マイボトルに給水ができる場所を探せる日本初のアプリ開発と普及活動があります。これは外出先でも手軽に給水できることで、より多くの人がマイボトルを持ち歩き、その結果として日本におけるペットボトル消費の削減となることを目指す取り組みです。ほかにも、売上の一部が海洋ゴミ削減活動に充てられるオンラインストアの運営などを行なっています。

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mymizuアプリに登録しているお店で給水している様子 (出典:一般社団法人Social Innovation Japan/mymizu)

これまで営業を担当してきた入社5年目の原さんは、若いうちから多様な価値観のなかで働き、グローバルな視点を獲得したい、と考え留職に参加。mymizuではオンラインストアのマーケティング業務や自治体との事業拡大に取り組んでいきます。

海外経験はあるもののグローバルな業務環境で仕事をするのは初めて、という原さん。活動第1週目にオンラインで実施したメンバーとの顔合わせでは、英語でコミュニケーションをするうちにさっそく変化が現れていました。

留学していたあの頃の『オープンな自分』がよみがえってます。効率性や論理性を重視して働くなかで、忘れてしまっていた自分の一面だと思います

その後は留学経験で培った英語を活かして、積極的にメンバーへ声をかけたり、理系のバックグラウンドを活かしてオンラインショップのデータ分析をしたり、活躍の幅を広げています。

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共同代表・Robinさん、Marikoさん(写真右)とディスカッションを重ねる原さん(写真左)

原さんはこれまでを振り返り、今後に向けてこう話します。

オープンに接してくれるメンバーのおかげで、グローバルなチームでの業務も徐々に慣れてきました。一方で、今後は多国籍なボランティアを巻き込んだチームの立ち上げという、さらに新しい挑戦が待ってます

今まで以上に積極的にメンバーを巻き込み、対話を重ね、自発的にプロジェクトを進めることが求められています。

共同代表のマクティア マリコさんからは「mymizuは去年立ち上げて、組織もメンバーもまだまだ若い。だから原さん独自の視点や経験を活かして、引き続き一緒に組織を成長させていって欲しいです」と期待のコメントが届いています。

留職して3ヶ月、mymizuが目指す「人々が持続可能なライフスタイルをより簡単に、楽しく、実現できる世界」が自分ごと化されはじめたという原さん。mymizuメンバーとして、色々な人を巻き込みながら、団体の掲げるビジョン達成に向かって挑戦を続けています。

以上、国内留職の現場からお伝えしました。SOMPOホールディングスからの留職者8名は、それぞれがNPOや社会的企業の一員となり、奮闘しながら留職先の団体に貢献しています。

この様子に本プログラムを担当されている同社人事部の須藤さんはこうコメントしています。

留職者の短期間での劇的な成長に驚いている。留職者たちはNPOや社会的企業の業務を通じて、『なぜこの会社が必要なのか、なぜ自分が必要なのか』という存在意義や、『自分がしたいことは何であるのか』という自分自身の意志について深く考え、自分自身のミッションに向き合うことができるようになった

新型コロナウイルスの影響があるなか、日本にいながらグローバルな視座で社会課題に取り組む経験は非常に貴重だとクロスフィールズは考えています。国内留職を加速することで、グローバルな社会課題に取り組む団体とリーダーシップを育みたい企業に貢献していきたいと考えています。


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