ESG経営とは? メリットやSDGsとの違いなどもご紹介
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ESG経営とは? メリットやSDGsとの違いなどもご紹介

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環境、社会、企業統治(ガバナンス)の観点をもって企業運営を行うESG経営が注目されています。なぜ多くの企業がESG経営に舵を切っているのでしょうか。今回はSDGsやCSRとESGの違い、ESG経営を導入するメリットや乗り越えるべき課題をご紹介。ESG経営を取り組む上で押さえておきたいポイントも併せてお伝えします。

ESG経営とは

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ESG経営に注目が集まっていますが、なぜ注目を集めるようになったのか、ESGの基本について紹介します。そもそものESGが持つ意味や、日本において広がりを見せ始めた背景、SDGsやCSRなどセットで表現されることが多い理由や違いについても紹介します。

■3つの観点からなるESG経営

ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(企業統治 Governance)の頭文字を用いた造語です。環境問題や人権問題などの社会課題が深刻化し、世界規模で対策を進めなければならないことを受け、国連が2006年に機関投資家に向けたPRI(Principles for Responsible Investment=責任投資原則)というフレームワークを策定。このPRIには、ESGが投資の観点として定められていることから、機関投資家を中心に環境、社会、ガバナンスを基準としたESG投資が活発化しました。このESG投資に対応する企業の経営手法がESG経営となります。

■SDGsとの違い

ESGとしばし一緒に語られるのがSDGsです。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、、2030年までに世界が達成すべき17の目標として国連で採択されました。SDGsの17の目標には169におよぶ詳細なターゲットがあります。ESGの主体はあくまで企業と投資家であるのに対して、SDGsの主体は「あらゆる人々」であることが大きな違いです。

■CSRとの違い

CSRは「Corporate Social Responsibility」の略語で、企業の社会責任という意味を持っています。企業が社会に対して担う責任という意味では、ESGと似た概念だといえるでしょう。ESGとCSRの大きな違いは視点にあります。ESGは投資家が企業の環境・社会・ガバナンスで評価するための指標であり、「投資家視点」といえるでしょう。対するCSRは企業が社会的責任を果たすための活動のため、「企業視点」であるという違いがあります。

ESG経営のメリット6つと乗り越えるべき課題

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ESG経営を取り入れることは、地球規模の環境問題、社会問題の解決に繋がるという側面だけでなく、企業自体の成長に直結するなど多くのメリットを得ることができます。以下では主なESG経営のメリット6つをご紹介します。

■メリット01:資金の調達がしやすくなる

ESG経営の取り組みは、投資家だけでなく銀行からも評価されます。EGS経営に取り組み、それが評価されると資金調達をしやすくなるのです。

また、債券やローンに関してもEGSの取り組みが評価される場合もあります。環境に配慮した事業のみを対象とした「グリーンローン」などが典型例です。

■メリット02:人材の確保がしやすくなる

少子高齢化の影響により労働人口が相対的に減少している日本では、優秀な人材の確保がより厳しくなってきます。労働環境の改善にフォーカスしたESG経営を行っている企業は、働きやすい配慮が施されていると判断されるため、母集団形成が優位に働いて結果的にハイパフォーマーを採用できる可能性が高まります。

■メリット03:働きやすい環境を整備できる

ESG経営の「G(ガバナンス)」を実現するためには組織においても人権問題やハラスメントを許さないという信念が必要です。結果的に従業員一人ひとりが働きやすい環境となり、人材のリテンションと採用コストの削減につながります。従業員の定着が進むと企業へのロイヤリティも高まることから、企業評価も上がるという相乗効果が期待されます。

■メリット04:企業ブランドが向上

同じ商品が同じ価格で販売されていれば環境に配慮された商品を購入したいと考えるユーザーが増えてきました。ESGへの取り組みが消費行動を刺激するとともに、例えば「環境負荷の少ない消費財を使っている良い企業だ」というイメージが構築されることで企業ブランドが向上。さらにユーザーの購買意欲が繋がるという良いサイクルが生まれるでしょう。

■メリット05:ダイバーシティの推進

ESG経営に取り組む企業は、女性の管理職・役員への登用が高まり、障がい者や外国籍の人材を積極的に雇用するなど多様性が推進されるようになります。多様性つまりダイバーシティは社会全体で実現すべきものだといわれています。積極的にダイバーシティを推進する企業は、ESGのS(社会)に取り組んでいると評価されるでしょう。

■メリット06:経営のリスクを軽減できる

企業が不祥事を起こすと、信頼回復までに長い年月が必要になります。売上や営業利益が下がる程度のものではなく、倒産になるケースもあるほどのリスクをはらんでいます。ESG経営のG(ガバナンス)をきちんと行う企業は資金調達がしやすくなり、取引や雇用の安定や日常的な活動の中に潜むリスク軽減にも繋がります。

■ESG経営の成功に向けて乗り越えるべき課題

ESG経営を取り入れることで企業にはさまざまなメリットがありますが、一方で生じうる課題も。3つの課題とその乗り越え方をお伝えします。

1つ目は短期で効果が出ないこと。ESGに求められる取り組みには、効果が表れるまでに数年の単位が必要なものも多いのです。長期的な取り組みだという認識を全社員が持ち、地道な努力を続けていくことがESG経営のカギといえるでしょう。
2つ目は明確な基準がないこと。財務指標のような基準がないため、企業は自ら目標を立てていく必要があります。
3つ目は経営者や社員の言動が注目されやすくなること。経営者や社員のESGに反する言動、例えばハラスメントに繋がるような失言ひとつで企業の評価は下がってしまいます。組織全体としてESGに対する意識を醸成することが大切です。

ESG経営の取り組みで押さえておきたいポイント

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ESG経営には環境や人権などの問題解決につながるだけでなく、企業にも多くのメリットをもたらします。ESG経営を成功につなげるために押さえておきたいポイントを紹介しましょう。

■経営陣の積極的な関与

ESG経営を進めるうえで最も重要なことは経営陣、取締役会が積極的にESGの取り組みに関与することです。先に述べているように、ESG経営は目に見える結果がすぐには表れません。短期的な収益拡大は見込めない取り組みであるため、ESG経営そのものを経営陣から否定的に捉えられる可能性があります。経営陣が当事者意識をもってESGに関与する仕組みを取り入れることが重要です。

■事業戦略とESG戦略を統合的に考える

企業の社会責任活動は決して新しい概念ではありませんが、事業戦略として浸透してきませんでした。この背景には「企業が社会活動をしても儲からない」というネガティブな考え方がありました。

一方、ESG経営では企業自体が成長することも重要。企業が得意とする事業領域にESGを取り入れることで、環境や社会の課題を解決しながら事業自体を成長させる視点が必要です。中~長期の経営目標を定め、事業戦略に組み込むことが重要。事業戦略とESG戦略を切り離さずに考えることが大切です。

■全社員で共通の認識を持つ

ESG経営は組織全体で取り組むことで成功につながります。そのため社員一人ひとりがESG経営を理解し、当事者意識を持つことがとても大切になります。

例えば人権問題につながりかねないハラスメントは企業の内部で起りうる事象です。無意識の偏見を含め「どのようなことが問題なのか」などの知識を全員が持つことが必要です。

ESG経営は長期的成長を促す未来を照らす光

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ESG経営が成功すると、資金調達のしやすさや経営リスクの低減などさまざまなメリットが企業に生まれます。
ESG経営を適切に取り組んでいくことで、社会への貢献はもちろん、企業自体の成長につもつながるでしょう。ただしESG経営はすぐに効果が見える取り組みではありません。長期的な視点をもって取り組むことが大切です。

NPO法人クロスフィールズは、社会課題体感フィールドスタディなどさまざまな事業を通じて、企業のESG経営加速を支援しています。具体的な取り組みは公式noteやホームページでご紹介しています。ぜひ参考にしてください。


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社会課題の現場と企業で働く人をつなぎ、課題解決とリーダー育成を目指すNPO法人クロスフィールズの公式noteです。新しい取り組みの数々や、その裏にある一人ひとりの物語をお届けします。