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組織開発のフレームワークを8つ紹介!企業を成長させる手法とは?

労働人口の減少やダイバーシティの加速など、企業を取り巻く社会状況は大きく変わりつつあります。社会の変化に対応しながら企業が成長を続けるには、組織力を高める必要があります。その方法のひとつが組織開発です。

今回は組織開発に活用される8つのフレームワークについて解説します。

組織開発のフレームワークとは?

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フレームワークとは「枠組み」「構造」といった意味です。ビジネスシーンでよく使われる「フレームワーク」とは、「知的生産を効率よく実現するための考え方」を指します。

フレームワークの多くは情報や考えを図式化して整理するため、視覚的に理解しやすいのが特徴です。効率的な分析や全体像を捉えた思考を行うのに役立ちます。

ビジネスではさまざまなフレームワークが目的や状況に応じて活用されており、よく使用されているものとしてPDCAやマインドマップ、MECEなどがあります。

人と人との「関係性」や「相互作用」を高める組織開発においても、ミッション・ビジョン・バリューや7Sなどの効果的なフレームワークが考案されています。

組織開発で活用される8つのフレームワーク

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フレームワークは、組織開発においても高い有用性を発揮するツールです。目的に合ったフレームワークを利用すれば、効率的かつ効果的に課題の解決を図れます。

ここでは、組織開発で活用される8つのフレームワークについて解説します。

■ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)

「企業理念」を構成する3つの要素である「組織の存在意義や使命(ミッション:Mission)」」「組織が実現を目指す姿(ビジョン:Vision)」「提供する価値や行動指針(バリュー:Value)」を定義するフレームワークです。それぞれの頭文字をとってMVVともいいます。

MVVは企業が目指す方向を示すと同時に長期的な企業活動を実現する基盤で、すべての社員に共有されるべきものだといわれています。

これに「守るべき心構えや精神(スピリット:Spirit)」と「企業理念を表す標語(スローガン:Slogan)」を加えてMVVSSとすることもあります。

■7S

7S(セブンエス)は「経営資源となる7つの要素の相互関係」を意味します。3つのハードと4つのソフトから成るフレームワークです。

ハードを意味するSとは「戦略(Strategy)」「組織構造(Structure)」「システム・制度(System)」の3つ。ソフトのSは「共通の価値観・理念(Shared value)」「経営スタイル・社風(Style)」「人材(Staff)」「スキル・能力(Skills)」の4つです。

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7Sではそれぞれの要素が互いに線でつながる図を描きます。これにより、ある要素が問題の要因であると特定できた場合でも、その要素とつながっているほかの要素にも関連があることが理解できます。

■OKR

OKRは目標管理方法のひとつとなるフレームワークです。名称は「Objective(目標)」に「Key Results(成果指標)」の頭文字に由来します。OKRを活用すれば「企業」「チーム」「個人」の目標を連結させ、同じ目標に向かって計画を進められます。

フレームワークの最上位に企業のOKRが連なり、その下にチームのOKR、さらにその下に個人のOKRがぶら下がっていくイメージです。企業と従業員の方向性を一致させ、全社で取り組むべき課題を明確にすることができます。

■タックマンモデル

タックマンモデルはチームビルディングを効果的に行うためのフレームワークです。チームメンバーが目的を達成するまでのステップをモデル化したもので、「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「散会期」の5つの成長段階があります。

形成期:チームの目標の確認やメンバーとのコミュニケーションを図る
混乱期:チーム内に意見の衝突や対立が起こる
統一期:目標や役割の共通認識ができ、お互いを理解し尊重する
機能期:チームが成熟・機能して成功体験を得られる
散会期:目標達成や期限到達によりチームが解散する

タックマンモデルでチームの状態を客観的に把握することで、課題やトラブルを解決しやすくなるでしょう。

■フューチャーサーチ

フューチャーサーチとは、利害関係が複雑な状況でも、民主的な話し合いを通じて共創できる未来を探究する手法です。フューチャーサーチを行うときは以下の手順で進めます。

1:社員以外に、利害の異なるステークホルダー(利害関係のある顧客や取引先、地域住民など)を集める
2:過去と現在の状況について情報共有をしたうえで、みんなが望む未来を確認する
3:協力関係を構築し、参加者が自己の責任においてアクション・プランを作成する

3日間のスケジュールで構造化されたプロセスに基づいて行います。参加者は一般的には60名程度、6~8のグループに分けて議論するフレームワークです。

■コーチング

コーチングとはメンバーに新しい気付きを与える手法で、人材開発でも用いられるフレームワークです。視点や考え方の幅を広げたり、行動の選択肢を増やしたり、目標達成に必要な行動を促したりするための対話を行います。

観察や質問、提案などにより、メンバー自身の中にある目標達成に向けた考え方や行動の方法を引き出すことがコーチングの目的です。その点では正解を教えるティーチングとは異なります。

コーチングについてはこちらの記事で詳しくお伝えしています。

■ワールドカフェ

カフェのようにリラックスした雰囲気の中で参加者が4〜5人のテーブルに分かれて対話を行うフレームワークです。ワールドカフェは大人数での組織開発もでき、参加者が1,000人以上でもミーティングが可能です。

参加者はいくつかのテーブルに別れて同席者と対話をします。途中でメンバーを入れ替えることで多くの人との意見交流が図れます。テーブル内は少人数であるため、相手の意見を聞きやすく、また自分の意見を伝えやすい点がメリットです。

ワールドカフェでは、フラットな関係で自由かつフレキシブルに、多くの意見やアイデアが出されることが期待できます。

■アプリシエイティブ・インクワイアリー

アプリシエイティブ・インクワイアリー(Appreciative Inquiry)は、質問の投げかけを通じて個人と組織の価値を認めるワークショップです。
発見(Discover)、夢(Dream)、設計(Design)、実行(Destiny)の4Dプロセスで行います。

アプリシエイティブ・インクワイアリーを通じて、自分の強みや情熱・夢を確認したり将来性を発見したりすることが可能です。変革も含めて組織が将来どうあるべきかを探求して共有します。

個々の視野を広げて新しい強みや能力を引き出しながら、目標達成に必要なアクション・プランを作成するフレームワークです。

組織開発に必要なフレームワークを理解しよう

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VUCA時代の急激な変化に対応するためには、企業組織の進化を継続していく必要があります。そのためには組織開発のフレームワークの活用が効果的です。フレームワークは多種多様に存在しますが、その中から適切な手法を採用することで組織開発をスピーディに行えます。

社内でフレームワークの活用やワークショップの実施が難しい場合は、外部の研修サービスを利用するのもおすすめです。目的に合った組織開発のフレームワークの提案が受けられ、効率的に課題解決を図れるでしょう。

NPO法人クロスフィールズは、社会課題の解決とリーダー育成の両方を実現するさまざまな事業を展開しています。具体的な取り組みは公式noteやホームページで紹介しています。ぜひ参考にしてください。