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いま新興国に越境する価値?J-POWERの人事担当者とポストコロナのリーダー育成を語る!

CROSS FIELDS

社会がポストコロナ時代に移行し、海外渡航の規制緩和が進むなか、海外マーケットで活躍できる人材の育成を急務とする組織も多いのではないでしょうか。

今回は2022年10月に海外での留職プログラム実施を予定している電源開発(J-POWER)より、人事労務部の園田氏をお迎え。クロスフィールズ荒井と「いま改めて海外に越境する価値」について語りつつ、コロナ禍での制度設計やリスク面など海外派遣のリアルを伺いました。(本レポートは2022年7月6日に実施したセミナーを元に作成しています) 

留職者インタビューで「自律型人材育成」の効果が見えてきた

荒井:クロスフィールズ企業パートナーシップ統括の荒井です。今回はJ-POWERの人事労務部・園田さんと「いま改めて海外に越境する価値」について深堀りしていきます。

荒井 淳佑:クロスフィールズ・企業パートナーシップ統括。総合商社にて7年間の勤務を経て、2018年にクロスフィールズ加入。留職プログラム等を担当し、現在は企業パートナーシップ統括を務める

J-POWERはこれまでも留職を導入していますが、このプログラムは日本のビジネスパーソンが国内外の社会課題の現場へ飛び込み、一定期間にわたり現地の課題解決に取り組むものです。参加者は現地の社会課題の解決にビジネススキルを用いて取り組んだり、海外の場合は言語の違いなどコミュニケーションの壁を乗り越えたりして、自身の可能性を広げていきます。

J-POWERからの留職者は様々な地域で活動した

2020年2月のコロナ禍以降、留職の新興国派遣を中止していましたが、2022年10月にJ-POWERより社員1名がカンボジアに派遣する形で再開予定です。(プレスリリースはこちら)そこで園田さんに伺いたいのですが、そもそも留職はどのような目的で導入されているのでしょうか。

園田 大祐氏:J-POWER / 人事労務部人財開発室 兼 火力エネルギー部開発室 上席課長J-POWERに入社後、エンジニアリング部門や国際営業部を経て、現在は人事労務部と火力エネルギー部を兼務。海外ジョブチャレンジ(留職)事務局ほか、全社的な選抜型リーダー研修や火力系社員のキャリア構築支援などを担当。

園田:当社では主に2つの目的で2017年より留職プログラムを実施してきました。1つは若手社員への海外研修の機会提供です。「将来は海外事業に携わりたい」と思っている若手に、海外で仕事をする経験を積んでもらいます。

そしてもう1つが自律型人材の育成です。エネルギー業界は現在、気候変動やロシアのウクライナ侵攻に伴う資源調達など多くの問題に直面しています。社会変化の影響を非常に受けやすい業界において、社員一人ひとりが責任を持って行動することがますます求められています。そのような責任感を持ちつつ、自分らしさを仕事に反映できる。そんな自律型人材を育成することも、留職に期待しています。

フィリピンにて活動したJ-POWERの留職者(写真・前列左から2番目)

ただ留職を開始した当初、自律型人材の育成は主な目的ではありませんでした。実は留職に参加した社員へのインタビューを通じて、自律型人材の育成に効果的だとわかってきたんです。

荒井:インタビューではどのようなコメントがあったのでしょうか?

園田:たとえばKさんは留職を経て、「自分自身への自信と答えのないなかで行動する力」を得たと振り返っています。

彼はインドネシアで浄水器を製造販売する団体に留職し、営業チームの拡大や就業規則の見直しなどを行いました。J-POWERという看板なしで1から行った現地活動が留職先の団体に評価されたKさん。もともと自信がないタイプでしたが、自分を信じることができるようになったといいます。また「手探りでも行動すれば前に進んで行く」という感覚を得られたことも大きな成果だったようです。

派遣先のメンバーと議論するKさん(写真・左から2番目)

留職で得た自信と行動力は、その後の業務に大きく影響を与えていることが事後インタビューでわかっています。留職後、Kさんは地方の火力発電所に勤務していました。その発電所ではある課題を抱えており、地元自治体と交渉すれば解決できるという状況でした。一方で難しい交渉が予想されていたため、誰も手をあげていませんでした。この状況でKさんは自ら手をあげ、この案件に取り組むことに。Kさんは地元自治体と粘り強く交渉して、目指していた成果につながったのです。

この経験について、Kさんは「正直、昔の自分なら手をあげなかったと思う。でも留職を通じて相手との摩擦を恐れずチャレンジし、やらないよりやる後悔を選択するようになったからこそ、今回の成果を生み出せた」と語っていました。

留職中、インドネシアで活動するKさん(写真・右)

これってまさしく「職位にかかわらず責任感をもって行動し、組織にいい影響を生み出す」働き方ですよね。彼のようにグローバルな部署でなくても留職での経験や学びを展開し、リーダーシップの開花につながっている留職経験者はたくさんいます。留職の本質的な価値はここにあると実感しています。

海外派遣の再開に向けたスケジュール

荒井:留職の効果を実感いただいていた一方で、コロナ禍により海外への派遣が難しい状況が続きましたよね。ようやく2022年の10月に派遣再開となりましたが、社内調整などはどのようなスケジュールで進めていったのでしょうか?

園田:一足先に欧米ロースクールやビジネススクールへの派遣再開をしていたので、留職も大きな懸念にはなりませんでした。留職の派遣先は新興国ですが、渡航に向けてクロスフィールズや現地団体のサポートを受けられるので、安心して再開の準備を進められています。具体的には以下のようなスケジュールです。

出典:園田氏のプレゼンテーション資料

まず2022年1月末に社内で公募を開始し、4月に事務局が応募者にヒアリングを実施しました。同時にクロスフィールズが面接を行って派遣者を決定。現在はクロスフィールズと派遣先の団体決定に向けた準備をしています。現地渡航の最終判断はコロナの感染状況を注視して、派遣の約1か月前に確定する予定です。

荒井:プロセス自体はコロナ前と変わりませんが、渡航可否の判断ポイントは細かく設定しています。今回はカンボジア派遣を予定しており、現地団体からリアルな情報をいただきながら判断材料を集めています。

ポストコロナ時代に海外へ越境する意義と期待

荒井:園田さんに伺いたいのですが、コロナ禍で求められるリーダー像はどのように変化したと感じていますか?

園田:コロナ前後で変化したと言うより、もともと必要とされていた自律型人材の重要性が浮き彫りになったと感じています。様々な前提が覆される状況が続くコロナ禍において、組織の将来を創っていくには自律型人材が必要だと、多くの人が感じたのではないでしょうか。当社としても自律型人材の育成を加速していきたい。そのためにJ-POWERという看板を外して思いきり挑戦ができる留職の新興国派遣の再開に踏み切りました。

荒井:たしかにポストコロナ時代で自律型人材の重要性が高まっていますよね。私も様々な企業の方々とコミュニケーションするなかで、そういった声を沢山聞いてきました。

荒井:最後に2022年の新興国派遣の再開に向けた想いを伺えますか?

園田:まずは予定通り派遣と実施ができるよう、最善を尽くしていきたいと思います。派遣が出来れば成果は必ず出ると信じています。派遣者が現地での貢献を通じてどのように成長するか、とても楽しみです。

また、留職先の候補には社会的企業に加え、新しいテクノロジーを活用してユニークな手法で社会課題の解決に取り組む団体もあると伺っているので、今後はそういった団体から新しい視点やヒントを得て帰ってくることも出てくるのではないかと期待しています。

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クロスフィールズでは定期的に人材育成や越境学習をテーマとしたイベントを開催しています。団体Facebookページ等でお知らせしていますので、ぜひご確認ください。

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