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もう1つの留職レポート―課題の現場で起こった変化とは

クロスフィールズはさまざまな形で国内外の社会課題の現場とビジネスパーソンをつなぎ、事業を通じて課題解決の加速に取り組んでいます。その1つが「留職」です。これまでのレポートでは留職者の様子をお伝えしてきましたが、今回は受け入れ団体の声をお届けします。留職を通じて、社会課題の現場にどんな変化が起こったのか。昨年6月から今年2月までSOMPOホールディングスより留職者を受け入れた3団体にお話を伺いました。

UNCOVERED FUND /代表 寺久保 拓摩さん

「留職者は共同創業者のように手広く事業の発展に携わってくれた」と語るのは、UNCOVERED FUND代表・寺久保さんです。

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寺久保:私たちはアフリカで社会課題解決に挑むスタートアップに対し、投資を行うベンチャーキャピタルです。起業前もしくは直後の企業に投資することで、彼ら・彼女らとともに現地の課題解決に取り組んでいます。投資領域は金融、小売流通、ヘルスケア、MaaS(※)、エネルギーなど。アフリカスタートアップの事業成長支援や、日本企業との事業立案、オープンイノベーション創出に取り組んでいます。(※Mobility as a Serviceの略。いろいろな種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合すること)

弊社は2019年に設立したばかり。新しいファンドを組成し、投資活動を加速するタイミングで熊田さんを受け入れました。熊田さんはベンチャーキャピタルに関する業務経験がありませんでしたが、持ち前の好奇心や起業家への共感力が高さからすぐに多くの業務をキャッチアップ。共同創業者のように手広く事業の発展に携わってくれました。アフリカの起業家との80件に及ぶ投資検討をはじめ、現地の市場調査や日本企業との事業立案など、活動の領域は数え切れないほどです。

熊田さんを受け入れてから1年が経ったいま、組織は5人にまで拡大。毎月100社を超えるアフリカのスタートアップから投資相談を貰うようになり、投資活動が加速しています。また日本企業との共同MaaS事業が立ち上がり、アフリカの投資先とのオープンイノベーション等も進んでいます。ビジョンである「未開の知から未来を創る」実現に向け、多くの経済価値を世界中に創出し、社会課題の解決に貢献できるよう私たちの提供価値をもっともっと高めていきます。

留職者・熊田さんの活動は以下の記事でご覧いただけます

日本医療政策機構/理事・事務局長 乗竹亮治さん

日本医療政策機構(以下、HGPI)理事・事務局長の乗竹さんからは、留職者を受け入れた背景と起こった変化について伺いました。

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乗竹:私たちHGPIは、市民主体の医療政策の実現を目指す非営利・独立の医療政策シンクタンクです。中立的な立場から有効な医療政策を国内外に提言し、社会に政策の選択肢を増やすことで、地球規模の医療課題に取り組んでいます。

今回、外部の視点を入れることで組織に変化が起きることを期待し、留職の受け入れを決めました。留職者の粟野さんは、認知症政策プロジェクト補佐等を担当。スタッフ全員を巻き込む形で組織の中期ビジョン策定にも取り組んでくれました。粟野さんの視点が入ることで、我々自身の課題や強みを客観視することにつながり、チーム全体の意識もさらに高まったと感じています。

メンバーが組織の意義を再定義できたことは、組織がより強くなることにつながると感じています。医療課題が多様化・複雑化する時代、今後も一丸となって医療課題に取り組んでいきたいです。

Earth Company /共同代表 濱川知宏さん

コロナ禍で事業転換を進めるなか、留職者を受け入れたEarth Companyの共同代表・濱川さんはこう振り返ります。

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濱川:私たちEarth Companyは「次世代につなぐ未来を創出する」ことを目指し、日本とバリ島の2拠点で活動しています。具体的には企業や教育機関向けの研修プログラムや、環境問題に取り組む人材育成事業を実施。収益の一部は途上国の社会的起業家を支援するプログラムなどに充てています。

国内留職の受け入れを決めたのは、コロナで現地訪問型の事業がすべてストップした頃。組織存続のため、他事業の拡大に注力していました。そんなタイミングで来た留職者の髙橋さんは、企業向けのコンサルティングサービスの展開を担当。マーケティングやワークショップ、イベント開催など幅広く活動してくれました。結果、サービスの本格的な企業展開が加速しています

ビジネスの第一線で活躍してきた髙橋さんの受け入れを通じて、組織として視野の広がりを感じました。団体ビジョンだけでなく、顧客への提供価値についてもより考えるようになったんです。この視野を大切に、今後もビジネスセクターを巻き込んで環境問題に取り組み、次の世代につながる社会をつくっていきたいです。

編集後記

これまでは留職者の目線でレポートしてきましたが、今回は受け入れ団体の視点から留職をお伝えしました。そこで見えてきたのは社会課題の現場で生まれるたしかな変化。留職を通じて普段出会わない人々がつながり、そこから数々の変化が起こっていたのです。これからも社会課題の現場で起こる「化学反応」をお伝えしていきたいです(広報・松本)

国内留職については以下のレポートでもお伝えしています