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「意識低い系」の自分がNPOでVRに取り組んでいる理由

「NPOって意識高い系の集まりだと思っていた」

こう話すのは、共感VRチームリーダーの高橋です。

プラントエンジニアを経て転職したクロスフィールズでは、テクノロジーを使って社会課題の解決に取り組んでいます。

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高橋智也:学生時代は国立研究機関のインターンとして高速流体力学を研究。卒業後、エンジニアリング会社にてミャンマー等で発電プラントの建設プロジェクトを担当。2018年にクロスフィールズへ加入し、現在は共感VR事業リーダーを務める

プラントエンジニアからNPOに転職したワケ

大学時代は機械工学を専攻していたので、この知識を活かせそうなプラントエンジニアリングの会社に入社しました。担当は東南アジアのゴミ焼却プラント建設など。

やりがいはありましたが、案件を進めるうちに「プラントを建てるだけじゃ、ゴミ問題は解決しない」と気づいて転職を決めました。

その結果、クロスフィールズに加入したのですが、NPOで働くなんて学生時代の自分からは想像できませんでした。というのもNPOはボランティア活動しているような「意識高い系」の集まりというイメージで、そうじゃない「意識低い系」の僕には無縁の世界と思っていましたから。笑

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そんな僕が社会課題へ関心を持ったきっかけは、前職時代に訪れたミャンマーで見たゴミ山の光景です。

そこは悪臭が充満していて、足裏からは鉄くずや金属片のゴツゴツした感じが伝わってくる。そのなかを子どもが平然と裸足で歩き、ゴミを漁っているのを見て「この状況を変えられないか」と思ったんです。これが今につながる原体験となっています。

実際にどう行動すべきか?そう考えたとき、まず仲間を増やす必要があると気づきました。ひとりでも多くの人が社会課題に対して「何かしたい」という気持ちを抱き、この原動力を元に行動すれば、社会を変えられるのではないか。そのためには僕がミャンマーのゴミ山で感じたようなきっかけが必要だと考えたんです。

現在担当している「共感VR事業」では、VRでそれを実現することを目指しています。VRは現地に行かずリアルな体験を生み出せる、非常に優れたツールだと感じています。

VRと社会課題を組み合わせて実現したいこと

共感VR事業はコロナ禍初期の2020年春に開始しました。

移動できない状況でも、多くの人が社会課題の現場を体感するにはどうすればいいか。

そう考えていたとき、VRを使うアイデアが生まれたんです。団体として初の試みでしたが、可能性を感じたので取り組んでみたところ、どんどん形になっていきました。

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具体的にはタンザニアの未電化地域や日本で暮らす難民の生活など、国内外の社会課題をVRで疑似体験するプログラムになっています。現地の団体に協力してもらって撮影した映像を編集し、研修素材や教材として企業や教育現場に提供しています。

VRは現地での体験には及ばないでしょう。けれど現地訪問は時間とお金がかかり、行ける人が限られてしまいます。

VRならより多くの人が社会課題の現場を自分の目で見ることができます。現地に行った人の話を聞いて想像するよりも、自分で見て考える方が社会課題の捉え方がより深まるし、行動につながるのではと思います。

体験した全員がすぐに「社会課題を解決しよう!」と行動することは想定していません。数人でもいいのでVRで見た光景が心に残り、後にアクションするきっかけとなればいいな、という長いスパンで考えています。 

テクノロジー×社会課題の可能性は無限 

いま自分がやっていることも、エンジニアリングだと思っています。エンジニアリングという言葉は一般的に「工学」として知られていますが、「目的のためにテクノロジーやリソースを組み合わせる」という意味も含んでいるんです。

前職ではゴミ焼却プラントを作るため、いろいろな技術を組み合わせていました。いまは社会課題を多くの人に体感してもらうためにVR技術・ワークショップ・国内外のNPOネットワークなどさまざまなものを組み合わせています。「VRがあるから活用しよう」という技術起点ではなくて、目的を実現するために最適な技術とリソースを組み合わせているんです。これはまさにエンジニアリングといえると思います。

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社会課題とテクノロジーって、距離がある様に見えるかもしれません。だからこそ組み合わせたときの威力はすごくて、予想もしなかった化学反応が生まれるんです。そんなシナジーを生み出せたときは本当にやりがいを感じるし、クロスフィールズはそれができる環境だと実感しています。

僕にとってテクノロジーはあくまでツールで、これを使って「何をするか」が大事です。その「何か」が社会課題の解決だから、いまここで挑戦を続けています。 

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