ベンチャー企業からNPOへ。国内外の社会課題の現場で広がった視野と自身の可能性
社会課題体感フィールドスタディをはじめ、様々なクロスフィールズの事業に携わる岡﨑は、「日本企業や新興国のNPOなど多様なステークホルダーと働くなかで、いろんな視点で物事を考えて働けるようになった」といいます。
そんな岡﨑から、プロジェクトマネージャーのやりがいや働くなかで感じる自身の変化について聞いてみました!
ベンチャー企業からNPOに飛び込む
――クロスフィールズに加入したきっかけを教えてください。
前職では遊休不動産の活用に取り組むベンチャー企業で、主にゲストハウスの管理などを担当していました。5年ほど働くなかで、「異なる文化や価値観を持つ人々が出会い、一人ひとりの視野が広がっていくことにもっと携わりたい」という気持ちが強くなっていきました。そんなときクロスフィールズを知り、以前から関心のあった「国際協力」「コーチング」に携われることに魅力を感じて2022年に加入しました。
クロスフィールズでは、主に社会課題体感フィールドスタディ(以下、フィールドスタディ)を担当しつつ、留職や企業パートナシップにも携わっています。比率でいうと、フィールドスタディが50%、留職が30%、企業パートナシップが20%くらいです。
常にマルチタスクなので難しい時もありますが、日頃からプロジェクト全体を見据え、優先順位をつけて取り組んでいるので、自律的に仕事をする姿勢がつくと思います。また、クロスフィールズは日本企業や新興国のNPOなど多様なステークホルダーと働けるので、いろんな視点で物事を考えて動けるようになりました。
社会課題の体感を通じて内省を生み出す
――フィールドスタディの企画設計や運営で気をつけている点を教えてください。
フィールドスタディでは、東日本大震災の被災地やインドのスラムなど国内外の社会課題の現場に訪問します。数日という限られた時間のなかで、「参加者にこれまでの『あたりまえ』を手放し、いかに内省を深めてもらえるか?」「内省の結果、自分・仕事・社会のつながりを描いてもらうこと」の2つを特に大切にしています。
参加者が何を見て、どのような現地リーダーと対話し、私たちからどんな問いを投げかけるか……良いプログラムにするために、メンバーと企画を練り上げていきます。この過程は大変ですが、プログラムを通じて参加者に“感情のゆらぎ”を起こせた時のやりがいはとても大きいです。
クロスフィールズのプログラムは「社会課題の体感を通じて内省を生み出す」ことが強みで、単なる社会科見学ではないと思っています。この強みはブラさずに企画から運営を行い、参加者・参加企業・その先の社会に対してインパクトを残せるように意識しています。
プログラム参加者に"ゆらぎ"を起こしていく
――これまで特に印象的だったプログラムは何ですか?
大手飲料メーカーとカンボジアで実施した1週間のプログラムです。企画段階から携わったのですが、企業担当者の方が私たちの取り組みに共感してくださっていて、一緒に創り上げていきました。そんなプログラムを実施し、参加者の方々が現地でたくさんのことを吸収して内省を深めていく様子を見て、「実施して良かった!」と心から思いました。
同時に私自身が初めての海外でのフィールドスタディだったので、カンボジアを五感で体感したり、さまざまなアプローチで社会課題解決に取り組む現地の団体と対話したりし、視野が広がった1週間でした。
もう1つ印象的だったのが、コンサルティングファームの管理職層に向けて実施したプログラムです。1名の参加者の方が「今まではロジカルな思考だけに重きを置いて、仕事中心の人生だった。でもこのプログラムで自分の過去を振り返り、価値観に触れたり感情と向き合ったりできた」と泣きながら話してくれました。
このプログラムがその参加者の方にとって自身の軸を思い出すきっかけになり、視野の広がる体験になったと思うと、本当に嬉しかった。こうした瞬間を創り出して、一人ひとりの変化を目の当たりにできるのはフィールドスタディのやりがいの1つです。
今後も一人ひとりの参加者がプログラムで”感情のゆらぎ”を起こして、自分自身の思いに気づく場づくりをしていきたいです。個人的には「一人の変化が組織変容につながる」ということに関心があるので、組織変容につながるようなプログラムづくりにも挑戦していきたいです。
フィールドスタディと留職の違いと面白さ
――フィールドスタディと並行して、留職も担当していますよね。2つの事業を比べて、それぞれの違いや良さを教えて下さい。
留職の面白さは長期にわたって「1人の変化」に深く関われることです。例えば、留職前は周囲の期待に応えることを優先していた人が、留職後は「個人のパーパスをもとに自発的に動ける人を組織のなかで増やしていきたい」という想いから、自ら自部署のメンバーに向けたパーパス研修を実施するほどになったこともあります。多くの留職者から「留職で価値観がガラっと変わった」という話を聞くので、留職は一人の人生に関わっている感覚です。
留職とフィールドスタディの違いでは、留職の参加者は20代後半〜30代が多い一方で、フィールドスタディの参加者はより年次の高い管理職や役職層が多いことがあります。フィールドスタディでは、一度のプログラム参加者が10名から30名ほどなので、より多くの方に社会課題の現場を体感して内省する機会を提供できることも留職との違いです。
それぞれ面白さと難しさがありますが、フィールドスタディの経験を留職に活かしたり、逆もまた然りだったりで、2つの事業を担当する面白さがあります。
最近は企業パートナーシップ担当としてプログラム導入を検討する人事部の方との接点も増えてきているので、さらに視野が広がっていると感じています。
社会課題の現場から受ける刺激と自身の変化
――働くなかで感じる自分の変化や成長を教えてください。
留職やフィールドスタディを通じて様々なNGOやスタートアップのリーダーに出会う機会が多く、国内外で社会課題に取り組む彼らのストーリーや言葉にはいつも刺激をいただいています。
そんな彼らを鏡にして「自分は本当に何がやりたいのか」を深めたり、それを俯瞰して考えたりできるようになりました。
そうすると自分の好き嫌いや得意・不得意が見えて、「得意を活かしながら、苦手分野もカバーしていく」ようになりました。これまでの人生で私は割と「平均点は取れるけど、飛び抜けた得意・不得意がない」というタイプだったので、これは大きな変化です。
もう1つがメンバーの主体性を引き出す意識が生まれたことです。今まで「全部自分でやらないと!」という完璧主義だったのですが、色々なメンバーと一緒にプログラムを創り上げるなかで「もっと相手を頼ってみんなが主体的に動けば、よりよいプログラムが生まれる」ことを実感し、1人で完璧を目指すのではなくチームでベストな結果を生み出す意識を持つようになりました。
クロスフィールズのメンバーは一人ひとりがやりたいこと持っていて、自律的に働くひとが多いです。加えて受容力が高くて柔らかい雰囲気なので、メンバーそれぞれの個性や考えを尊重しながら議論できる組織だと感じています。
――クロスフィールズの魅力や可能性はどんなところにありますか?
様々な企業や国内外のNGO/NPOとのつながりがあり、本来は出会わないような人と人をつなげられることです。まさに「フィールドをクロス」する団体ですよね。色々な人がセクターの垣根を超えて出会い、社会変化を起こせるような場をプロデュースできることは、クロスフィールズの可能性だと思います。
今は主に大企業の方々向けにプログラムを展開していますが、個人的には子どもや学生、中小企業やベンチャーなど、より多くの人と社会課題の現場とつながる機会や場を提供し、様々なインパクトを生み出すきっかけを生み出していきたいです。
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クロスフィールズでは現在、プロジェクトマネージャーをはじめ複数の職種で新たに仲間を募集しています。詳細は以下のwebサイトよりご覧ください!