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全国の高校生がオンラインで社会課題に触れてキャリアを考える!クロスブリッジ第一期レポート

クロスフィールズは2022年12⽉から2月まで⾼校⽣向けプログラム「グローバルキャリア探究キャンパス “CROSS BRIDGE”(クロスブリッジ)」の第一期を開講しました。これは全国の⾼校⽣がオンラインで国際的な社会課題と接点を持ち、その解決に取り組むロールモデルとの出会いから、⾃⾝のキャリアの可能性を広げていくものです。

東北から沖縄まで27名の⾼校⽣が参加した今回のクロスブリッジ。どんな2ヶ月になったのか、その様子をお伝えします!

*現在クロスブリッジは第二期の参加者を募集中です!(2023年11月19日23:59まで) 詳細は以下よりご確認ください。 

クロスブリッジとは?プログラムの概要と目的

クロスブリッジは3セッションで構成される、オンライン型の探究学習プログラムです。プログラム期間中にはクロスフィールズのメンターと参加者3-4名がグループとなり、互いの関心事や学びを共有しながら共に考えを深めるピアメンタリングも実施。社会課題への理解が進み、自身の進路や夢への一歩を踏み出していく2ヶ月間を参加者27名と共に過ごしました。


クロスブリッジの目的は主に2つあります。1つは⾼校⽣に国内外の社会課題と触れる機会や課題解決に挑む先輩との出会いを提供し、仕事を通じて社会課題解決ができることを伝えることです。

背景には新型コロナによって学生が異なる文化や価値観と出会う機会が減り、広い視野を獲得しづらくなったことがあります。そこでクロスブリッジでは国内外における社会課題の現場の人々と高校生をつなぎ、彼らが今後のキャリアを考えるうえでヒントになる視点を生み出すことを目指しています。

もう1つはオンラインを活用して日本全国から学びたい人が参加し、地域や学校を超えてつながる機会をつくることです。今回のプログラムは参加者による負担費用がなく、任意の現地セッションを除く全編をオンラインで実施。「クロスブリッジで学びたい」と思った学生が参加できる仕組みにしました。こうすることで、日本の教育現場でも課題となっている「体験格差」*の解消も目指しています。

*体験格差とは:住んでいる場所や家庭環境によって、学校外の体験を通じた学びの機会が左右されてしまう機会格差

インスピレーションセッションで社会課題への理解を深める


最初のインスピレーションセッションは、「グローバルな社会課題への理解を深め、向き合い方を知る」をテーマに2日にわたって様々なプログラムを実施しました。

そのコンテンツの1つである「共感VRプログラム」ではウガンダの様子を360度映像で体感し、元少年兵や彼らの支援を行うテラ・ルネッサンス代表・鬼丸さんのインタビューを視聴。遠くで起きている社会課題とその解決に取り組む人々への理解を深めていきます。

このセッションを通じて、参加者からは以下の感想が寄せられました。

・子ども兵や紛争について深く考えたり話を聞いたりしたのは初めてで、すごく心が動きました。

・自分にはどうしようもないと思っていた問題でも、様々な視点から考えることで色々な解決策を導けると気づきました。

国内外の社会課題の現場とつながるフィールドセッション


続くフィールドセッションは、「国内外の社会課題の現場とつながる」をテーマに、実際に課題の現場で活動する人々と対話を重ねていきます。

訪問先はカンボジアで教育を通じた貧困解決に取り組むSALASUSUと、福島の復興を担う人づくりに挑むあすびと福島の2団体です。(SALASUSUはオンライン実施、あすびと福島は任意参加で現地訪問をしました)

カンボジア訪問チームは、団体が運営する服飾雑貨の工房をオンラインで訪問。そこで働く女性たちと会話や質問をしていきました。その後は代表・青木健太さんやSALASUSUで活動する大学生インターンとの対話を通じて、これからのキャリアを考えるうえで大切にしたい価値観やそれに向けた一歩目のアクションについて考えを深めていきました。

福島訪問チームは現地で1泊2日にわたってセッションを実施しました。初日は津波の被害に合った小学校など震災から約12年の月日が経った被災地を訪問し、震災被害を目の当たりにしていきました。

その後、復興に取り組むリーダーや現地の高校生との対話を行いました。震災を悲観するのではなく、復興に向けて前進していく現地の方々と話すうちに、「彼らの姿をみて、自分にもできることがあると感じた」「震災の影の部分だけでなく、光にも目を向けていこうと思った」という声が聞こえてきました。

インプットだけでなく、アウトプットの時間も多かったフィールドセッション。参加者からは「グループ対話の時間では、セッションで感じたことをメンバーと共有したり、他の人の意見を聞いたりすることで、自分の考えがどんどん深まっていった」という声が聞こえてきました。

キャリアセッションで自身の進路を考える


最後のキャリアセッションは「グローバルな社会課題の解決に挑む先輩との対話を通じて、自分の進路を考える」をテーマに実施。参加者はコペルニク代表・中村さんによる講話や、社会課題解決をキャリアに選択した先輩との座談会を通じて、自身の進路のイメージを描いていきます。 

その後は最終発表のテーマである「実現したい社会とそのための一歩」について、グループでのピアメンタリングやメンターとの1on1を通じて、一人ひとりが考えを深めていきます。その内容を最終報告会で発表し、2ヶ月間の学びを今後につなげていきました。

以下では、最終発表の一部をご紹介します。 

・参加前は自分が好きなものや、将来やりたいことが全然わからなかった。でもクロスブリッジを通じて自分は色んな場所に飛び込んで学ぶことが好きだと気づいたし、「誰でも学べる環境づくり」に取り組みたいんだと発見しました。

クロスブリッジでは「本当にやりたいこと」をしている方々に出会い、とても憧れを感じました。いまの自分はやりたいことがはっきりわからないけれど、今後はボランティアなどに参加して海外の文化や色んな人に出会い、「自分がやりたいこと」を見つけていきたいです。

クロスフィールズ・担当者のコメント


クロスブリッジの企画・実施を担当したディレクター・西川は、今回のプログラムについてこう振り返ります。

実はクロスブリッジは、高校時代の私に向けたプレゼントの気持ちで創ったんです。「当時の私が参加していたら視野が広がっただろうし、進路も変わっていたかも」と感じるものを考えた結果、高校生と社会課題の距離がグッと縮まり、将来の可能性が広がる……そんなコンテンツが出来上がりました。

特に意識したのは社会課題を「遠い」存在ではなく、自分と関わりがあるものとして認識してもらうことです。そのために各セッション後に対話や内省の時間を丁寧に設け、参加者にとって遠かった社会課題が近づくようなプログラムになるように意識しています。

来年度はさらに多くの参加者にこうした体験を届けられるように、メンバー一同活動していきます。

プログラムの様子は以下の動画でもお伝えしています。


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