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管理職研修はなぜ必要?目的や種類、研修内容を知っておこう!

管理職研修では管理職に必要な知識やスキルを学べます。十分な能力が備わった管理職が率いるチームは、より高い成果が期待できるでしょう。管理職に求められる知識やスキルは業務経験だけでなく、管理職研修を行うことで効率よく身につけられます。

今回は管理職研修の必要性から目的、種類と内容、研修方法まで解説します。

管理職研修の必要性とは

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管理職は経営層と現場を結ぶ立場であり、組織のパフォーマンスを向上させる役割がにあります。この役割を全うするためには、メンバーの能力を活かすスキルやノウハウが必要です。どのような能力やスキルが管理職に求めらているか確認しましょう。

変化に対応できるリーダーシップ

一般的にリーダーシップとは、共通の目的に向けてメンバーから意見の一致(コンセンサス)と意志の誓約(コミットメント)を取りつけ、メンバーへ充実感と満足感を与えながら目的を達成する能力だといわれています。

リーダーシップの形の1つとして、最近注目されているのが「オーセンティックリーダーシップ」です。オーセンティックとは「本物の、真正な」等の意味をもち、オーセンティックリーダーシップとは「自分に嘘をつかない、自分らしい」リーダーシップといえるでしょう。変化の激しい時代において、自分の軸や価値観に基づき行動できる、つまりオーセンティックリーダーシップが管理職にも求められています。

オーセンティックリーダーシップについては、こちらの記事もお読みください。

メンバーの人材育成スキル

管理職の役割のひとつに、メンバーの育成があります。でチームの総合力を高めるためにもメンバー育成は重要。高い目標を達成しようとしたとき、メンバーのスキルが不足しているままでは負担が大きく、安心して仕事を任せられないでしょう。

管理職研修ではメンバーごとに適切な課題や目標を設定したりスキルマップを作成したりするなど、効果的な人材育成スキルを身につけることが可能でしょう。また、最近はコーチングを取り入れるなど対話を通じた人材育成も注目されています。

効率的に業務を進めるバランス感覚

管理職の多くがプレイングマネージャーです。自分の業務をこなしながらメンバーの管理も同時に行います。自分の仕事ばかりに集中すればメンバーのケアや進捗管理がおろそかになり、逆に管理業務に手をかけすぎると自分の仕事が進みません。

どちらに偏りすぎてもチーム全体のパフォーマンスが下がってしまうため、自分の業務と管理業務のバランスをとることが重要です。

高い連携力や調整力

管理職は組織全体の成果を念頭に置く必要があります。担当部署だけで完遂するのが難しい仕事は、他部署との連携も視野に入れましょう。

メンバーよりも他部署の管理職や組織の経営層と機会を持ちやすい管理職が横のつながり強化に向けた連携や調整を行うことは、組織力強化にもつながります。

適正な評価をする能力

管理職にとってメンバーの評価を行うことも重要な仕事です。評価の方法に問題があるとメンバーの業務への取り組み方やモチベーションに影響が出てしまい、成果を下げる可能性があります。メンバーの評価に部署の内外でズレがある場合も、経営陣やほかのメンバー、顧客との関係に問題が生じる恐れがあります。

適正な評価基準を設定し、事前にメンバーの理解を得ておくことも重要です。

管理職研修の目的

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管理職に必要なスキルやノウハウは長い業務経験を通じて身につけられます。しかし状況変化のスピードが早いビジネスの現場では、研修で習得するほうが効率的です。

ここでは管理職研修の目的を紹介しましょう。

知識や理論の学習をするため

研修を通じて各管理職に応じた業務知識やスキルを網羅的に学ぶ機会を持てます。業務経験だけでは身につけにくい知識や理論も、体系的な学習で効率よく習得が図れるのが研修のメリットです。

主な内容としてマネジメントサイクルやメンバーの育成ノウハウなどを学びます。

実践的な演習をするため

管理職研修では実践的な演習を行います。管理職が直面するさまざまなケースでの対処法を身につけることが可能です。現場では未経験の課題状況や発生が稀なトラブルを想定した演習行うなどで、管理職としての対応力を養います。

リーダーシップ開花のため

VUCAの時代で管理職として活躍するには、「自分らしいリーダーシップ(=オーセンティックリーダーシップ)」を発揮する必要があります。オーセンティックリーダーシップの源となる「自分の志」や「ブレない価値観」を研修で見つめていきます。

自分自身のあり方を考えて志や価値観を見つけることが、オーセンティックリーダーシップの醸成につながります。オーセンティックリーダーシップを持つ管理職が率いるチームは高い成果を期待できるため、組織にとっても大きなメリットになるでしょう。

管理職研修の種類と内容

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管理職研修は係長や課長、次長、部長といった管理職のステージに合わせたものを行います。係長と部長では求められる管理職スキルに違いがあるためです。

ここでは管理職研修の種類とその内容を紹介します。

新任管理職研修

新任管理職研修では、管理職として求められている役割を知り、管理職業務を遂行するための行動や計画の立て方、準備の仕方など管理職に必要な基礎知識やスキルを身につけます。

また、業務において起こりうるトラブルや事故を未然に防ぐためのリスク管理・対策を学ぶことも大切です。

チームビルディング研修

組織のパフォーマンスを向上させるのも管理職の重要な役割です。チームビルディング研修では、メンバー同士が協力して個々の能力を発揮できるような組織づくりの手法を身につけます。

ワークショップやレクレーションなどを通して、チームの関係構築やチームワーク向上の方法を学ぶ研修です。

管理職研修

管理職研修は定期的に行われ、管理職としての行動基準や「組織」「業務」「カネ」「ヒト」を適切にマネジメントする手法を学びます。過去事例をもとに管理職に就いた人が実際に業務でぶつかった壁を乗り越えられるようになります。

メンタルヘルスが不調にならないような指導方法や対処のしかた、企業が守るべきルールや各種法令の確認も重要です。

上級管理職研修

部長クラス以上の役職者向けの研修です。経営層に近い役割が求められるため、組織の戦略立案やリスクマネジメントなどを習得します。

上級管理職には業務の拡大と改善、組織編成や人材育成、企業の変革など会社全体を見渡す視野が必要です。近年ではCSRやSDGs、ESGを学ぶ機会も上級管理職研修にとり入れられるようになってきました。

リーダーシップ研修

すべての年代において必要なのがリーダーシップを身につける研修です。特に管理職はメンバーをビジョンのもとにまとめてチームを前進させる役割があるため、優れたリーダーシップを発揮することが求められます。

リーダーシップ研修の種類はさまざまですが、その多くに「自分が何を大切にしているか」「重視する価値観とは何か」など、志や価値観を見つめ直す内容が含まれています。

研修方法

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管理職研修は社内研修や外部研修、オンライン学習といった方法で行います。それぞれの方法に特徴やメリットがあります。管理職研修の目的やコストに応じて適切な方法を選びましょう。

社内研修

社内または社外の施設を使用し、研修プログラムを自社で作成して行います。研修の対象者に合わせて研修内容、研修期間や時間の調節が自由にできます。

研修プログラムや講師を用意する必要はありますが、外部委託で行う場合よりもコストを抑えられる点がメリットですが、人材領域の担当部署にかかる負担が大きいことがデメリットといえるでしょう。

外部研修

社内研修が難しいときには、外部の研修会社などに委託するのもよいでしょう。研修コストは内部で行うよりもかかりますが、研修を専門とする組織に委託することで人材領域の担当者の負担が減るなどのメリットがあります。外部研修で新たな視点の獲得や刺激を受けることなども期待できるでしょう。

さまざまなコース・オプションが用意されているため、研修の目的や予算に合わせて選べます。

オンライン学習

オンライン学習による研修は知識やスキルを効率よく学ぶ際に適しています。動画もしくは音声と説明文のあるスライド形式で、多くが5~10分程度で学べるボリュームにまとめられています。 PCやスマートフォンでも視聴できるため時間や場所を選ばずに研修可能です。

ただし、知識のインプットだけでは研修として不十分になることもあり、実践的な演習なども組み合わせる必要があります。

管理職研修で企業の組織力を高めよう

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管理職研修は、管理職としてのスキルやノウハウを身につけるために必要な研修です。知識・理論の学習や実践的な演習のほか、リーダーシップを学ぶ目的もあります。対象者に合った研修の種類や方法を選択することで管理職研修を成功に導きます。VUCA時代を乗り越えるため、管理職はスキルを兼ね備えるだけでなく、リーダーシップを発揮していくことが重要です。

NPO法人クロスフィールズは、さまざまな年代を対象としたオーセンティックリーダーシップの開発につながる事業を複数展開しています。具体的な取り組みは公式noteやホームページでご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

また、オーセンティックリーダーシップに関するイベントレポートも公開しています。こちらもぜひご覧ください。