NPOと企業をつなぐ役割とは?担当が語る「共感」の大切さ
クロスフィールズは留職やフィールドスタディ事業を通じて、これまで約50社と協働してきました。そのなかで新しい企業とのパートナーシップ構築を担当しているのが原科(はらしな)です。自身の役割は「ビジョン達成に向けた仲間づくり」だといいます。
プログラムの営業ではなく「仲間づくり」が自分の仕事である、というのはどういう意味でしょうか?
原科は「パートナー企業がクロスフィールズに共感したうえで協働することで、社会へのインパクトを生み出せる」と語ります。
転職のきっかけはネパールでの研修
新卒で入社した人材派遣サービス会社では、人材と派遣先のマッチングや就業フォローを担当していました。4年目には社内制度を活用してボランティア研修に参加し、ネパールで学生向けプログラムの運営サポートに取り組みました。3ヶ月間の活動を経て帰国したのですが、ボランティアでの学びを業務にうまくつなげられなかったんです。すごくいい体験をさせてもらっただけに、それを活かせない組織体制や研修制度に違和感を感じ、なんとかできないかと考えていました。
そんなとき、以前から知っていたクロスフィールズの「留職プログラム」を思い出しました。担当のプロジェクトマネージャーが、国内外の課題解決に取り組む参加者を、現場での活動前から所属元に戻ったときまで一貫してサポートする仕組みが印象に残っていたんです。
「このサポートがあれば、参加者は社会課題の現場で得た貴重な体験を、所属元の組織に還元できるんじゃないか」と可能性を感じ、より多くの企業にこのプログラムを広めたい、という想いから転職しました。
加入から一貫して企業パートナーシップを担当しています。これはビジネスセクターでいう営業担当ですが、クロスフィールズでは企業の方々を「ビジョン実現に向けたパートナー」とだと考えています。そのため僕は「営業」ではなく「企業パートナーシップ担当」なんです。
共感を大切にしている理由
企業パートナーシップ担当の役割は「クロスフィールズのビジョンに共感してくれる仲間づくり」だと思っています。
クロスフィールズのビジョンは「社会課題が解決され続ける世界」です。僕はこのビジョンに共感し、業界の枠を超えて実現にむけて協働し合えるパートナー企業を増やすことに取り組んでいます。
単に「企業にプログラムを導入してもらう」のではなく、「プログラムを通じて、企業の人材育成に貢献しつつ、長期的に社会課題解決を行う仲間を増やす」ことを目指しているんです。
この関係性ができるまでの道のりは短くないけれど、そのぶん共感してくれた企業の方々とは長く強い関係でいられていると感じています。
企業担当者の熱意に刺激を受ける日々
ある企業は留職プログラムを新たに導入することを決め、海外派遣の準備を進めていました。しかし実施寸前のタイミングでコロナ禍に。その企業自体もコロナの影響を受けていました。そんな状況でも、担当者の方は「社会が閉塞的な今だからこそ、社会課題の現場に飛び込んでリーダーシップを磨いてほしい」と、国内派遣に切り替えて留職を実施することを決断してくれたんです。
1年以上に及ぶ社内での調整の末、無事に留職プログラムの実施に至りました。担当の方もコロナ禍で大変な中、プログラムの価値を信じて挑戦し続けてくれたことが嬉しかったです。
クロスフィールズに共感して「留職が組織の変化につながる」と信じてくれたその方の熱意には、僕自身が圧倒されました。
自分も枠を超えて挑戦を続けたい
クロスフィールズのプログラムは、参加者が「枠を超える」経験をして、組織変化、さらには社会に変化を生み出すことをめざしています。参加者はプログラムを通じて普段とは異なる環境に飛び込み、自分と社会のつながりや多様な働き方を知り、視点を広げる。そうして変化した参加者が組織に戻って、周囲にいい影響を生み出していく。こうした変化はプログラム参加者が起点となって生まれるように見えますが、その裏には企業担当者の方々の決断があるんです。新しいプログラムの導入を決断する、つまり最初に企業担当者が「枠を超える」ことをきっかけに変化は起こると思っています。
枠を超え続ける参加者や企業担当者には、僕自身がいつも刺激をもらっています。彼らの挑戦に寄り添うからには、自分も枠を超え続けないといけないと感じています。今後もパートナー企業を増やし、一緒に新しい挑戦をしていきたいです。