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留職とインパクトマネジメントで見つけた自信とクロスフィールズの価値

 留職やインパクトマネジメントなどを担当する鈴木は、「クロスフィールズでは様々な業務を通じて自分の頭でしっかり考え、相手に伝え、意思決定を重ねていく経験を積むことができる」と話します。プロジェクトマネージャーとして、また自身の成長について聞いてみました!

鈴木園子
大学で国際関係学、大学院ではジェンダー学を研究。
卒業後、アジア・太平洋地域の文化遺産保護専門家を対象にした人材養成事業に従事。
2021年、クロスフィールズ加入。
留職/インパクトマネジメント事業リーダーを務める。

転職の決め手は「留職者の成長なくして、現地貢献なし」

 ――クロスフィールズに加入したきっかけを教えてください

前職の公的機関では5年ほど勤務していました。アジア太平洋地域で文化遺産保護に取り組む人材の研修・育成を実施する団体で、研修のコーディネートを担当していました。

業務を通じてアジア各国に訪問するなか、文化遺産のすぐ隣で貧困に苦しむ人々の姿に気づき、「彼らのような人々に対して何かしたい」と思い、キャリアチェンジを決めました。様々なNPOを見るなかで、現地貢献しながら人材育成の経験も活かせるクロスフィールズを魅力に感じ、転職を決めました。2021年に加入してから、主に留職プログラムを担当し、現在はインパクトマネジメントも兼任しています。
 
留職ではクロスフィールズ加入の決め手となった「留職者の成長なくして、現地貢献なし」という言葉を今でも大切にしていて、留職を通じた人材育成と社会課題解決を同時に達成することを目指しています。

ーー印象的だった留職について教えて下さい

担当したすべての案件が印象に残っていますが、特に印象的な留職の1つが留職者と健全にぶつかったことです。
 
その留職者は海外派遣で、活動中に「この課題解決に取り組みたい」と、当初設定された業務を超えた取り組みをはじめました。留職者のwillを尊重したい一方で、元々の業務もやりきってもらわないと留職先の団体の期待に応えられない……。とても悩みましたが、留職者にはしっかり当初業務も完遂してほしい旨を伝えました。最初は意見がぶつかって、コミュニケーションを繰り返したのですが、最終的には本人のやりたいことと元々の業務どちらでも成果を出してもらいました。
 
ここまでストレートに私の想いや考えを伝えた留職者は初めてでしたが、その留職者とは本音で意見を言い合える関係になりましたし、「もっと自分の意見や想いも出していい」と気づくことができました。

全ての過程で重要なプロジェクトマネージャーの役割


ーー留職の業務内容と気をつけているポイントは何ですか?

留職の担当を積み重ねるなかで、「良いプロジェクト」を生み出すには派遣前のマッチングから留職中の伴走、派遣後の事後研修まで、全過程で私自身の意見や想いをしっかり出していくことが大切だと感じています。
 
留職の基盤となるマッチングでは、留職者の所属する企業の要望も汲みつつ、留職者の経験や特性と、派遣先団体のニーズや組織風土を考えて組み合わせています。留職中は毎週の1on1で伴走しますが、これは台本がなく、「その場からつくる」ものなので、常に楽しさと緊張感を持っています。私の問いかけに対して、留職者は行動で返してくるので、これがやりがいでもありプレッシャーを感じる部分でもあります。 
 
クロスフィールズのプロジェクトマネージャーにはそれぞれの伴走スタイルがありますが、私は相手の課題やストレッチポイントを見て、伝えるようにしています。あとは留職者のwillを引き出すこと。「これは自分がやりたい、やらないといけない」というwillを持った留職者の現地貢献はとても大きいため、様々な問いかけをして留職者がwillを見つけるサポートをしていきます。
 
留職で特にやりがいを感じるのは、活動が終わる頃に実施する最終報告です。留職先の団体のリーダーが留職者の変化や、留職が団体にとってどんな意義があるかを熱く話すのを聞いていると、留職者と団体の両方のエンパワーメントの実現を実感できます。

留職は私たちのマッチングと伴走があってこそ成り立つプログラムなので、これからも留職者の成長と現地貢献の両立を実現していきたいです。

カンボジアでの現地同行の様子(本人:写真中央)

インパクトマネジメントを通じて、ビジョン・ミッションの実現を実感

――2023年からはインパクトマネジメント(以下、IM)も担当していますよね。関わったきっかけを教えてください。

関心分野だったので、「やってみない?」と声をかけられたときに二言返事で引き受けました。IMはクロスフィールズのプログラム社会に生み出す価値を数値で表して発信する取り組みで、これまで土台となるデータはありましたが、本格的に着手できていませんでした。
 
IMの活動では、留職やフィールドスタディのプログラム参加者にアンケートをとり、「社会課題の現場に越境して、どのような意識変容が起こったか」「社会課題を自分事と捉えるために必要な要素は何か」などをアカデミアの方々と連携し、データを取って理論モデルを構築しました。(詳細はこちら
 
IMを通じて、クロスフィールズのプログラムだから生み出せる変化を数字で表すことができ、留職やフィールドスタディで目指している「社会課題を自分事化する人を増やす」が実現されていると実感できました。
 
クロスフィールズのプログラムは、「社会課題の現場を体感し、そこで活動する人々を鏡にして、参加者が自分-仕事-社会のつながりを見つけていく」ものです。この「自分-仕事-社会のつながり」を生み出せるのは、クロスフィールズが培ってきた経験や技術があるからだとIMを通じて納得できたし、自信にもなりますね。

これまで私は留職などを担当するなかで、「もっとこうしたらよかった……」と反省することが多かったのですが、IMに携わるようになってからは「プログラムを通じて社会に価値を出しているか?」と俯瞰しながらプログラムに取り組めるようになりました。

IMは自分たちで正解を作っていくので難しいこともありますが、誰もやったことがないのでワクワクするし、クロスフィールズが1つ1つこだわって創り上げてきたプログラムの価値が数字で出てくることに面白さを感じています。今後はIMで作った理論モデルを活用してプログラムの改善に活かしたり、理論モデル起点でプログラムを設計したりできるといいなと思っています。

働くなかで生まれた自信と感じる成長

――クロスフィールズで働くなかでどのような変化がありましたか?
 
自分の頭でしっかり考え、相手に伝え、意思決定を重ねていくうちに自信がつきました。プロジェクトの全工程を任せてもらえるので、プロジェクトマネジメントのスキルは自然と上がりますね。メンバーはみんな仕事が速いので、加入した時は本当に苦労しました。でも周囲がしっかりサポートしてくれるし、今ではすごく成長できたと実感しています。
 
あとは様々な人と働くので、刺激をもらうことが多く、自分の想いが強く・熱くなった気がします。特に留職の派遣先団体はとてもビジョナリーで、会うたびに「私ももっと頑張らないと」という気持ちになります。

また、クロスフィールズのメンバーは「自分がやりたいこと」の軸を持って新しい挑戦をしている人が多いので、日々刺激をもらっています。

――最後に、今後の展望を教えてください
 
クロスフィールズで働くなか、「自分は異なる人々やセクターをつなぐこと」にやりがいを感じるので、社会変化になるような繋がりをこれからも生み出していきたいです。

特に私はジェンダーに関することに課題意識があるので、ジェンダー課題や女性のエンパワーメントをテーマに活動するNPOや社会的企業に留職者を送ったり、フィールドスタディを実施したりして、課題解決を加速する一助になりたいなと思っています。

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クロスフィールズでは現在、プロジェクトマネージャーをはじめ複数の職種で新たに仲間を募集しています。詳細は以下のwebサイトよりご覧ください!

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