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女川町で「まちのうれしいをつくるシゴト」実現へ―社会課題解決ワークショップ参加者が新規事業立ち上げに挑む

CROSS FIELDS

日立システムズは2022年4月より社員3名が宮城県・女川町に移住し、地域課題を深く理解したうえで地域と一緒に解決をめざすプロジェクト(以下、女川プロジェクト)を始動しています。

この女川プロジェクトのリーダー・畑田さんは、2020年に長野県・小布施町を舞台とした社会課題解決ワークショップ※に参加しました。ワークショップで体感した「現地の声を聞くことと、自分の意思を持って事業を創り上げる大切さ」が今に活きている、という畑田さん。ワークショップでの経験が女川プロジェクト立ち上げにどう活きたのか伺いました。(聞き手:広報・松本)

※社会課題解決ワークショップ:現地の困りごとを深く理解し、その解決に向けた事業アイデアを創出するプログラム。詳しくはこちら

畑田尚美氏:株式会社日立システムズ 金融事業グループ事業企画本部所属
女川プロジェクトの立ち上げに携わり、現在はプロジェクトリーダーも務める

ワークショップで気づいた自分の意思を伝える大切さ

――まず、社会課題解決ワークショップで取り組んだことを教えてください 
私が参加したのは2020年に長野県・小布施町を舞台にしたものでした。参加した社員はそれぞれ関心のある分野に分かれ、3ヶ月にわたり小布施町の課題解決に取り組みました。

私のチームは「教育課題」をテーマに、現地の学校の先生や教育に携わる方々へインタビューし、それをもとに現地の課題を見つけて解決につながる事業アイデアを創っていきました。

ほとんどオンラインで実施したので、チームメンバーとのやりとりでは大変な時もありましたが、みんな同じ目的に向かって熱量高く取り組めたのが印象的でした。

――ワークショップではどのような学びや発見がありましたか?
ひとつは地域で事業を展開するとき、まちの方々の想いを理解することが大切だということです。

ワークショップでは住民の方にインタビューする機会があり、このときWebサイトだけでは知ることができなかったまちの方々の価値観が見えてきたんです。それを突き詰めたら、小布施町の方々が求めるまちのあり方のカケラみたいなものが少しずつ見えてきて。机上での議論だけでは事業を創れない、と実感しましたね。

もうひとつは自分の意思を相手に伝える大切さです。

ワークショップでは中間地点である1.5ヶ月目に、その時点で固まっていた事業アイデアを講評者にプレゼンする機会がありました。その際にある方から「あなたたちはこの提案を通じて何がしたいのですか?」と問われたのですが、うまく言語化して伝えられなかったんです。

とても悔しくて、そこからチームメンバーと「自分たちはどんな社会を創りたいのか、それはなぜか」と深掘りを重ねました。その結果、自分たちがめざしたい社会を元に事業アイデアを創り出し、最終発表では「事業アイデアに対するメンバーの気持ちが伝わった」というフィードバックをいただくことができました。

ワークショップ・最終発表の様子

これまで仕事をするうえで自分個人の意思は後回しにしがちでしたが、「自分の意思をもっと表現して周囲に伝えていこう」という心持ちに変わりました。この気づきは女川プロジェクトの立ち上げや、いまの活動にも活きています。

「まちのうれしいをつくるシゴト」を女川町で実現したい

――女川プロジェクトについて、立ち上げの経緯を教えてください。

私の所属している金融事業グループで地域活性化のための事業を立ち上げようという動きがあり、その企画を担当することになったのがきっかけです。当初はどの地域で実施するかは決まっていませんでした。

最終的に女川町が舞台となったのですが、これも実は社会課題ワークショップがきっかけでした。というのは、2021年に女川町で実施されたワークショップに私自身が同行させてもらい、そこで現地の方々と話をしていくうちに「ここならまちの方々との協創で事業立案ができるかもしれない」とピンときたんです。

女川町の方々は「ヨソモノ」への受容力がとても高いし、現地のニーズと私たちがやりたいこととが合致すればスピーディに事業展開ができそうと感じました。

現地でワークショップの進行をする畑田さん(写真・右)

この女川プロジェクトで達成したいことがあります。「まちのうれしいをつくるシゴト」というビジョンを掲げているように、地元の方々が嬉しいと思えるサービスを届けたい。そのためには地域に深く入り込み、本質的な課題を理解してから、それらを解決するサービスを創りたい、と思っています。

この想いを社内に伝えたのですが、地域の課題起点による事業立ち上げは実績もなく、当初はなかなか賛同を得られませんでした。それでもメンバーや役員に想いを伝え、1人ずつ仲間を増やしてきました。最終的には事業部長に女川町まで来てもらい、そこで女川ファンになってもらいました。笑

こうして社内からの共感も得ることができ、プロジェクトへの社内公募には多くの人が手を挙げてくれました。そして面接を通過した社員3名の移住を承認してもらい、現地での活動開始まで辿り着けました。

――女川プロジェクトではどのようなことに取り組んでいますか?

プロジェクトは2022年4月からスタートしました。最初は特定のテーマを絞らず、現状の地域課題について理解を深めました。そこから事業として取り組みたいテーマがいくつか見えてきたので、2022年の夏頃からは現地の方々に協力いただき、課題に対する理解を深めて具体的な事業を創出しようとしています。

協働している現地のパートナーは商店や事業者の方々です。本業が忙しいなかでも私たちのプロジェクトに協力していただいているので、いつも身が引き締まる思いです。

プロジェクトメンバーが現地に身をおき、住民の方々と対話することで多くの情報を得ることができます。映像や文字ではわからない相手のふとした表情やまちの雰囲気など、全身で女川町を感じながらプロジェクトを創っていくことにワクワクしています。

山林課題を理解するため、林業体験も行ったという

女川にとって本当に必要な事業を生み出したい

――畑田さんが女川プロジェクトにかける想いを教えてください

女川でプロジェクトを立ち上げたからには、現地の困りごとを本当に解決できる事業を創り上げたいです。正解はわかりませんが、「現地の方々のためになるデジタルサービス」を生み出すため、日々奮闘しています。

これまでの私たちの仕事は、既存事業を継続したり、決まった枠組みのなかで事業を行ったりすることが多かったように思います。ある程度、解決策ありきのなかで仕事をしていたとも思います。

その一方で「社会変化が続くなか、既存事業だけでは組織として存続できない」という危機感もありました。もっとお客さまといっしょにゼロイチでめざす姿を描き、ワクワクする仕事を生み出していく組織にしたい。そんな想いがありました。

だからこそ女川プロジェクトで「現地の課題を起点に、ゼロから事業を創り上げる」という成功事例を生み出し、実績を作りたい。そして女川プロジェクトに続く事例もどんどん生まれていき、「答えが見えないなかで事業を創り上げること」が当たり前の組織になればいいなと思っています。

編集後記

社会課題解決ワークショップで実感した「現地の声と自分の志を大切にする姿勢」を体現しながら女川プロジェクトを推進している畑田さん。インタビューでは何度も「本当に女川町に活きる事業を創りたい」と言葉にする姿がとても印象に残っています。ご自身だけでなく、組織の当たり前も変えようとする力強さも感じました。これから女川町でどんな事業が生み出されるのか、楽しみでなりません。(広報・松本)

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畑田さんが2020年に参加した小布施町を舞台とする社会課題解決ワークショップの様子は以下からご覧いただけます。

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