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ニューノーマル時代で変わるリーダーシップ育成とは?

不確実性が高まる時代で必要なリーダーシップとは何か。組織を変えるリーダーの育成に向け、人事部は何をすべきか−こんな問いを抱えている方も多いのではないでしょうか。

10/21(水)に実施したイベントでは、マーサージャパン(株)シニア・フェロー兼(株)CORESCO代表・古森剛氏の基調講演に加え、SOMPO ホールディングス(株)人事部の須藤翔太氏をお迎えし、パネルディスカッションを展開。40名以上の人事担当者が参加し活発な議論が行われました。

「今後のヒントとなる学びを得た」という声が多く寄せられた今回のイベントのハイライトをお届けします。

リーダーシップの本質がコロナで問われている

長年にわたり人事戦略に携わってきた(株)CORESCO代表・古森剛氏。基調講演では「いまこそ、リーダーシップの本質が問われている」と説きます。

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古森剛氏:日本生命保険相互会社、マッキンゼー・アンド・カンパニー、マーサージャパン(CEO)人事担当を経て(株)CORESCO創業。代表取締役を務める

ではリーダーシップの本質とは何か。それは情報への感性と鋭い洞察力、そしてフォロワーからの支持。しかしこれらを兼ね備えていても「決断力」がないと無意味だ、と古森氏は言います。

古森:今回コロナが私たちに突きつけたのは未来の不確実性。そんな時代、何をどう決めてもリスクはそれなりに大きい。この状況でリーダーが何かを決断し、フォロワーを導くからこそ、組織が変革して生き残る。逆に言うと決断できない組織は生き残れません。

いまこそ、リーダー人材の発掘と育成の加速を
基調講演は人事部へ向けた古森氏のメッセージで幕を閉じました。

古森:
これから人事部門に求められるのは、決断を下せる人材を発掘し、育成を加速すること。決断力は経験で高められるので、早い段階で『決断の実体験』を積ませるのが大切なんです。

決断の実体験が経営者を育てる

そんな「決断の実体験」を人材育成に取り入れているのがSOMPO ホールディングス(株)。今回は人事部・須藤氏を交え、パネルディスカッションを展開しました。

同社は「SOMPO Global University」という約1年のプログラムがあります。これは選抜された若手社員らが海外に身を置き、修羅場や逆境のなかで決断を重ね、経営の視点を習得していくものです。海外渡航が困難になった現在も実施されています。須藤氏はコロナ禍の変化をこう振り返ります。

須藤:状況が激変しても人事部の全員が『将来のグループ経営人材候補者の拡充の動きを止めてはいけない』という共通認識をもっていたんです。だからコロナ前後に関わらず、目的達成に向けていま取れる最善の策を検討しました。人と触れ合いつつ、多様な価値観のなかで働く経験こそがリーダーシップを伸ばすという考えから、クロスフィールズが提供する国内留職(グローバル型)* の導入を決断しました。

図2

須藤翔太氏。SOMPO ホールディングス(株)人事部課長代理。自身も2018年にSOMPO Global Universityプログラムを経験

*国内留職(グローバル型)とは:海外派遣が難しいなかでも日本にいながらグローバルな環境で社会課題に挑む原体験を提供するプログラム。参加者は所属元企業を数カ月にわたって離れ、グローバルな業務環境で社会課題の解決に取り組む団体や企業で活動する。

組織に根付く決断のカルチャー
混乱のなかでも人材育成を減速させず、国内留職をスピーディに導入した背景には人事部のカルチャーが大きかった、と須藤氏はいいます。

須藤:今回のプログラム導入もまずは自分が意思決定し、それを上司に最終決断してもらった。この『決断の連鎖』が人事部のカルチャー。一人ひとりが責任をもち決断できる環境づくりを目指しています

この「決断の連鎖」に対して、参加者からは職場環境も人材育成と同じく大切な要素だ、という声があがりました。

次世代は変えられる

「もしいまのリーダーがダメでも、次世代は変えられる。人事部はその育成に尽力すべき」という古森氏の力強いことばで幕を閉じた今回のセミナー。参加者からは「決断力を積む体験を社員に提供していきたい」「一人ひとりが決断できる環境づくりのため、幹部層にも働きかけたい」などの声が多く届きました。

クロスフィールズとしても、決断力を備えたリーダー育成支援を通じてこれからの時代における企業、そして社会の変革に貢献してきます。


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