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ワークショップの種類を解説!企業研修に役立つメリットとは?

参加型の研修であるワークショップ。その種類や形式は研修の目的によってさまざまです。企業の会議室やセミナー会場で実施される場合もあれば、オンライン形式で行われることもあります。ワークショップを研修に取り入れる企業は増えていますが、ワークショップの意味や導入するメリットがあまりわからない方も多いのではないでしょうか。この記事ではワークショップの定義と種類、それぞれのメリットを解説します。

ワークショップの定義

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堀公俊氏著『これからはじめるワークショップ 』(日本経済新聞出版2019年)によると、ワークショップは
"主体的に参加したメンバーが協働体験を通じて創造と学習を生み出す場
と定義されています。

つまりワークショップは学習者参加型の研修といえます。同じく研修に分類される「セミナー」は、参加者が講師の話を聞いて学ぶ講義形式ですが、ワークショップは話を聞くだけでなく、質問や意見交換を通したアウトプットの場があることが特徴的です。

参加者同士の相互コミュニケーションが主体となるワークショップではファシリテーターの存在が重要です。研修の司会進行役だけでなく参加者が主体的に学び、動けるようにサポートを行うのがファシリテーターの役目です。具体的には、参加者の発言を促しながら意見の整理や議論の展開、着地点までを導く役割を担います。

■ワークショップの種類と実施場所

一般的にワークショップは主に教育研修型・インターンシップ型・問題解決プロジェクト型・イベント型の4種類があります。Withコロナ時代ではオンライン化が進むなど、ワークショップの実施方法も多様化しています。

ワークショップの4つの種類

1.教育研修型
 教育機関や企業による事業戦略や商品開発、人材教育が目的のワークショップ
2.インターンシップ型
 職業体験が目的。採用につながる場合もある人材育成研修
3.問題解決プロジェクト型
 地域の課題や社会課題の解決が目的のワークショップ
4.イベント・体験学習型
 アート分野のものづくりや趣味系のワークショップ

●ワークショップを行う場所と方法

・実地・対面型
 企業、市民会館、カルチャーセンター、教育機関などで対面型にて行う
・オンライン
 インターネットを介した非対面型の研修
・ハイブリッド型
 会議室・オンラインでの研修+フィールドワーク(現場研修)

企業向けのワークショップを紹介

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上記でワークショップは主に4種類あるとご紹介しました。このパートでは企業でのワークショップ導入を前提に、それぞれの特徴を詳しく説明していきます。

1.ビジネス・人材教育型のワークショップ

多くの企業が社員に対する意識改革研修やリーダーシップ研修、また販売促進や新規事業の創出などさまざまな目的でワークショップを取り入れています。

新入社員研修や中堅社員研修をワークショップで行う会社も多いでしょう。販売マーケティング課題の解決を目指すワークショップでは、企画開発、営業、広報など企業内各部署から人材を集めて販売戦略を模索します。

その一例として、エーザイ株式会社では、商品に関わる各部署から社員を集めてワークショップを実施。それぞれが持つ製品知識と販売活動に関する認識を一致させ、店舗における販売促進活動の最適化につながりました。

2.新卒採用・インターンシップ型のワークショップ

採用を前提とした研修や、主に学生を対象としたインターン向けワークショップもあります。

例えばパナソニック株式会社では、就職活動を行う大学生向けにオンラインによるワークショップを実施。同社の経営哲学を学びながらデザイン思考のグループワークに参加し、企業理解を深めることを目的としています。

三菱電機株式会社でも、オンラインで「会社理解型ワークショップ」を実施しています。ワークショップでは学生が自らの専門性や強みを企業でどう活かせるのか判断できるだけでなく、会社とのミスマッチを防げるメリットがあります。

3.地域・社会課題がテーマのワークショップ

地域および国内外の社会問題解決に取り組むワークショップもあります。
例えば株式会社日立システムズは、社員向けのサステナビリティ推進施策として地域の課題解決に向けたワークショップを実施しました。

参加者は長野県小布施町とオンラインでつながり、現地の観光や教育、農業や行政に関する課題に向き合いました。3か月間のワークショップでは、オンラインによる現地の人々との交流やフィールドワーク、チーム活動を通して、小布施町が目指す未来を描き、実現に向けた試案を練り上げました。

社会課題に向き合うことで、社員の視野を広げ、新たな事業を発想するきっかけになるなどのメリットがあるワークショップです。

4.アート・ものづくり系のワークショップ

絵や演技、楽器などを習うアート系やものづくり系のプログラムもワークショップの一種です。

ワークショップにアートを取り入れた企業があります。例えばバイエル薬品株式会社では、社長や役員を含む99名が絵を書くことを取り入れたワークショップに参加。絵を描くプロセスから学ぶプログラムでは、参加者それぞれが描いた個性あふれる絵を共有。多様性と気づきを得る経験を通して、意識改革が加速したといいます。

コミュニケーション能力を鍛えるプログラムもあります。例えば「インプロ」は演劇ワークショップの1つですが、与えられた架空の状況で即興で演技を行います。相手のリアクションに応じて、臨機応変に対応するトレーニングが可能です。

ものづくり系のワークショップでは、フラワーアレンジメントやビーズアクセサリー作りなど、福利厚生の一環として社員のレクリエーション活動にも役立ちます。

ワークショップの6つのメリット

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ワークショップにはさまざまな効果が望めますが、まとめると主に以下の6つのメリットがあります。

1.アイデアが生まれやすい
 参加者間で意見を出し合うブレインストーミングで新しいアイデアを創出しやすい。

2.参加者間の相互理解が深まる
 参加者同士の対話や意見交換を通じて、多様な価値観を理解できる。

3.アクティブかつ実践的な学びにつながる
 グループワークやディスカッションなどによって、与えられたテーマについてより深く学べる。

4.コミュニケーション能力が養われる
 グループワークが多いワークショップでは、相手の意見を聞いた上で発言するため、コミュニケーション能力を高めることができる。

5.主体的に学ぶことで記憶に残りやすい
 アウトプットの機会が多いワークショップでは、能動的に参加することで参加者が学びを定着させやすい。

6.課題に対する具体的な行動につながる
 問題解決が目的のワークショップの場合、具体的な解決策を生み出し、時には行動を起こすことにつながる。

まとめ:ワークショップを人材育成に活用しよう

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ワークショップの種類は多く、企業によって活用方法は異なります。まずは自社の課題を明確にし、その解決に適したワークショッププログラムを探すことから始めてみてはいかがでしょうか。

クロスフィールズでは、社会課題解決ワークショップや共感VRワークショップをはじめ、社会課題の現場と企業で働く人々をつなぐ複数の事業を展開しています。公式noteやホームページでは、具体的な取り組みについてご紹介しています。ぜひ参考にしてください。


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