2023年11月〜24年5月まで、クロスフィールズのプログラム参加者向けに実施した「Sailors Acceleration Program（以下、SAP）」。これは社会課題の解決に向けたアクションや、そこに向けた学びに着手するための活動を、クロスフィールズが1on1による伴走や支援金の支給を通じて応援するものです。（第二期は2024年7月末より募集開始予定）

今回は第一期参加者の大西さんによる活動レポートをお届けします！

こんにちは！国内食品メーカーで技術開発職として勤務している大西です。
私は2015年にクロスフィールズの留職プログラムに参加しました。今回のSAPでは「ベトナムの子どもたちの栄養課題を解決するプロジェクト」をテーマに8名の複数社チームとして活動しました。

テーマ選定の理由

世界中の子どもたちのために、食を通じた安心、健康、楽しさをお届けしたいと考えています。とりわけASEANの多くの地域では、十分な栄養を摂れていなかったり、逆に偏った栄養過多に陥ってしまったり、成人の生活習慣病予備軍の様な人が増えている場所があるため、そうした状況を我々のプロジェクトで食を通じて変えていけないか、と考えたことがきっかけです。

SAPの活動

・活動初期；元々、社内の有志で進めていたチームに、他社からの有志メンバーにも参加してもらいスタートしました。チーム人数は8名で社内外にまたがること、さらには海外駐在しているメンバーもおり、打合せ調整等から大変でした。しかしSAPでクロスフィールズさんに伴走してもらいながら進めるにつれペースが掴め、徐々にコンセプトが絞られていきました。

日本で海外の現場のことを考えるのは難しく、チーム内で意見が噛み合わない時期もありましたが、皆さんの協力でなんとか進めていくことができました。

・中間報告以降；ベトナム駐在メンバーの現地での体感情報などから、“朝ごはん”というシーン、と“ふりかける”というソリューションが、ベトナムの方々の食生活に合うのではないか？という気付きと仮説から、この２点に着目した仮説検証を進めて行く方針を決めました。

SAP中間報告でクロスフィールズさんから頂いたアドバイスを元に、現地の社会的な組織と繋がり、単なる営利目的の事業とならないような、社会課題解決に直結する事業アイデアに昇華できるような取り組みにしたいという考えが融合し、具体的な情報収集を開始しました。

・最終発表；中間報告時の仮説を検証するため、上記メンバーが現地調査を実施したところ、「朝ごはんへのこだわりは特に必要ないかもしれないが、”振りかける”という行為で、美味しさと栄養が付与されるという点については、ポジティブな反応が得られそう」ということが分かりました。

そこでこの事実を根拠として、今後ふりかけのアイデアをプロトタイピングしていくことを決めました。また、現地の協力者を探す取り組みとして、国内の政府系機関に相談を持ち掛けたところ、彼らの様々な現地協働事業をご紹介いただき我々の取り組みに関連の深い現地の２団体（PACCOM※、NIN※※）を教えてもらいました。

当該団体に協力依頼をしたものの、残念ながら良い反応は得られなかったため、諦めず別のパートナーを探そうと考えているところです。

活動を通じた気付き、チームの変化

最初は遠慮がちだったメンバーが、活動を進めるにつれて積極的に意見を言うシーンが増え、とても嬉しく感じています。

一つの目標に向けて、意見の異なるメンバーがそれぞれ、“自分の力で貢献したい”と思って下さっている、というその状況自体がとても幸せなことです。「このチームであれば、目標を実現できそう！」と思わせてもらえるパワーを自分自身が貰っていることに気付きました。

最終的な成果と今後の展望

本プロジェクトは一旦のゴールとして、私が所属している企業の支社に、新製品による新事業として提案し、社としてアイデアを受け入れてもらうことを目指して進めています。

いつか実際に製品が世に出て、これから永続的にベトナムを含む世界の子どもたちの健康に少しでも貢献できるよう、一歩ずつ前進していきたいです。

SAP参加を検討されている方へ

勇気を持ってはじめの一歩を踏み出してみると、思っている以上の世界が必ず開けると思います！

SAPの第二期は24年7月末より募集を開始します。
特設webページが完成次第、詳細をご案内しますのでどうぞお楽しみに！