VUCA時代のリーダーとは? 「自律型人材」の育て方に迫る!
見出し画像

VUCA時代のリーダーとは? 「自律型人材」の育て方に迫る!

2021年5月28日、自律型人材とその育成に効果的とされる「越境学習」にフォーカスしたセミナーをオンラインで開催しました。ゲストに法政大学・石山氏をお迎えし、越境経験者のSOMPOホールディングス・熊田氏とクロスフィールズ久米澤を交えたクロストークを展開しました。 

いまなぜ、自律型人材が必要なのか?

はじめに石山氏より「自律型人材とその育て方」を伺いました。

スクリーンショット 2021-06-08 16.39.20

石山恒貴氏:法政大学大学院政策創造研究科教授。NEC、GE等を経て現職。主な著書『越境的学習のメカニズム』『日本企業のタレントマネジメント』など

石山:自律型人材とは「自分を律することができる」人。つまり自分の意思・仕事・社会への影響 がつながっている。そして「自分らしい価値観」を軸にして判断を続ける。だから正解のない問いに向き合い、行動できる。そんな人材を指します。これまで以上に環境変化が激しいいま、組織が未来の道を切り拓くにはこのような人材の重要性が高まっています。

自律型人材を育てる方法の1つとして越境学習が有効です。越境学習とは「所属する組織」と「異なる環境」の往来により、学びを深めること。越境者らは異なる環境で「自分の当たり前」が通用しない経験をし、視野を広げます。その過程で自身の軸を見つけていくのです。

越境学習者は2度死ぬ

石山:越境学習者は2度死ぬ、つまりそれほどのショックが重要だ、ということが経産省との調査でも明らかになりました。1度目は越境先での衝撃です。いままでのやり方が通用せず、自分で考えて判断しなくてはらならない。そんな葛藤を経て、越境者はもがきながら視野を広げていきます。2度目は所属元に戻ったときに起こります。今度は所属元の「当たり前」に違和感を覚えるのです。この状況下で徐々に周囲を巻き込み、行動することが自律型人材としての活躍につながっていきます」

大企業からスタートアップへ越境。自分の「軸」を見つけた

続くセッションでは、SOMPOホールディングスから社会的企業に「越境」した熊田氏をお迎えし、自身の経験と学びを伺いました。 

スクリーンショット 2021-06-08 9.16.41

熊田雅志氏: 2015年損保ジャパン入社。営業などを経て20年6月~21年2月まで留職に参加。その後、SOMPOホールディングス デジタル戦略部にて新規事業開発を担当

熊田:国内留職に参加したきっかけは「一度社外に出て、社会課題に取り組むリーダーから刺激を受けたい」という思いからでした。派遣先のUNCOVERED FUND(アンカバードファンド)はアフリカのスタートアップに投資などを行うベンチャーキャピタルです。

留職ではアフリカ起業家との投資面談や新規事業のマネジメントなどを任されました。でも、英語での業務もプロジェクトマネジメントも未経験だったんです。そんななか80件以上の投資面談を実施したりと、毎日がチャレンジの連続でした。

この経験で得た学びは沢山ありますが、なかでも人生をかけて取り組みたい「マイミッション」の発見は大きいです。自分は本当に何をしたいのか?と問い続けた結果、「ビジネスの力で社会の課題を解決し、多くの人を幸せにしたい」とはっきり思うようになりました。組織に戻ってからも、この想いが自分の軸になっています。 

クロストーク
ここからは石山氏をモデレーターに、熊田氏と数々の越境者をサポートしてきたクロスフィールズ・久米澤がクロストークを展開しました。

クロストーク①越境学習の効果を高めるコツ

スクリーンショット 2021-06-09 8.12.06

石山ご自身の「マイミッション」で特に価値を感じているポイントは何ですか?
熊田自分の意思と仕事が接続している点です。留職で見つけた「自分の意思」とは、困っている人々に対して何かしたい。そしてビシネスの力で広くインパクトを生み出したい、という気持ちです。この2つを実現するために、これから全力を注ぎたいと思っています。

石山:どうして越境経験で見つけることができたのでしょうか?
熊田留職先からの刺激ですね。代表と働くなかで、「組織が目指す世界」を考える機会が今まで以上に多かったんです。内省を深められたのも理由の1つです。クロスフィールズの担当者から毎週の1on1で客観的な問いを投げてもらい、考えを深めることができました。
久米澤:留職者との1on1で大切にしているのは「答えは本人だけが持っている」ということ。私たちはその答えを掘り起こすお手伝いをしているんです。越境先での経験や学びを本人が言語化してこそ、「揺るぎない軸」になると思います。

スクリーンショット 2021-06-08 9.16.17

久米澤咲季:国際労働機関(ILO)、国際協力機構(JICA)等を経てクロスフィールズ加入。事業統括マネージャーを務める。米国CTI認定プロフェショナルコーチ

クロストーク②自律型人材を活用できる組織とは

石山留職後、組織はどのように受け入れてくれましたか?
熊田: 越境先での学びと「マイミッション」を達成するために会社で何がしたいのか?という私の想いをしっかり聞いてくれました。その上で今後もっと伸ばすべき能力を考慮し、将来を見据えた配属にご尽力いただいたと感じています。
石山:企業は単に「社員を越境させる」のではなく、越境後の受け入れ体制を整えることも大事ですね。越境者の意思を聞いて受け止める。越境学習を取り入れる際のキーとなりそうです。
久米澤:越境者だけでなく、組織へのサポートも必要だと感じています。留職プログラムでは企業側のフォローも適宜行っています。留職者と所属元の方々にとってベストな環境を一緒につくっていきたいです。

クロストーク③越境経験が業務に活きている瞬間

石山:越境経験が活きている、と感じるのはどんなシーンでしょうか?
熊田:正解のない環境で成果を求められるとき。まさに新規事業の開発を担当している今です。現在のチームでは指示を待っていたら何も起きません。だから自らリサーチし、考えをまとめて提案する、という動き方をしています。留職で同じ経験をしたからこそ、実践できていると感じます。

自律型人材を育てるカギとは

熊田さんは普段と異なる環境で『当たり前』を疑って物事を考え、その経験を内省して自分の財産にしていったんだと思います自律型人材の育成には『前提を疑って考える』『内省の繰り返す』という経験がカギになると改めて感じました

という石山氏の言葉で幕を閉じた今回のセミナー。その後のQAセッションでは多くの質問が寄せられました。

正解のない問いに向き合い、行動できる人々が社会を切り拓く時代。クロスフィールズは越境者だけでなく、彼ら・彼女らの所属する組織にも伴走し、自律型人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいきます。また、今後も人材育成に関するセミナーを企画してまいりますのでどうぞお楽しみに!

*熊田氏の留職における活動詳細は以下のレポートからご覧いただけます



社会課題の現場と企業で働く人をつなぎ、課題解決とリーダー育成を目指すNPO法人クロスフィールズの公式noteです。新しい取り組みの数々や、その裏にある一人ひとりの物語をお届けします。