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リーダーに必要な9つの条件を解説!求められる役割とは

さまざまなシーンでリーダーの重要性が叫ばれるなか、企業においてはどのようなリーダーが求められているのでしょうか。この記事では組織におけるリーダーの定義、リーダーに求められる5つの役割と9つの条件についてご紹介。ドラッカーの定義も踏まえて解説していきます。

リーダーに求められる条件などを理解し、リーダー人材の育成につなげましょう。

リーダーの定義とは

そもそもリーダーの定義とはどのようなものでしょうか。ビジネスの文脈においてはP・ドラッカーが提唱する定義がよく適用されています。ドラッカーが定義するリーダーは以下です。

リーダーに関する唯一の定義は、つき従う者がいるということである

P.ドラッカー『プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか』

この「つき従う者」とは、強制的に従わせられた者ではなく、「そのリーダーを信頼し、自らの意志に基づいて従う者」を意味しています。つまりリーダーとは「誰かから信頼されている」ことが必然だとドラッカーは説いているのです。

そのうえでドラッカーはリーダーについて以下のように定義しています。

①リーダーは真摯さと確信をもつ:信頼とは、リーダーを好きになることではない。常に同意することでもない。リーダーの言うことが真意であると確信を持てることである。それは、真摯さという誠に古くさいものに対する確信である」
②リーダーシップは資質ではなく仕事である:リーダーシップとは人を引きつけることではない。仲間をつくり、人に影響を与えることでもない。
リーダーとはまず組織の使命と目標を見えるように明確にして他者に示すものである。そして目標優先順位や基準を決め、それを維持することが求められる​​
③リーダーシップとは責任である:優れたリーダーは、常に厳しい。事がうまくいかないとき、そして何事もだいたいにおいてうまくいかないものだが、その失敗を人のせいにしない。

P.ドラッカー『プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか』

つまりドラッカーの定義するリーダーは、メンバーから信頼され、目指すべき方向を示して導き、失敗の責任を自ら負う存在だといえるでしょう。

リーダーとボスや上司、マネージャーの違い

リーダーと似たような概念に「ボス」「上司」「マネージャー」があります。以下ではそれぞれの定義とリーダーとの違いを説明します。

ボスとリーダーの違い

ボスは「組織やチームを支配する」意味を含んでいます。恐怖によって人を従わせ、応じない場合は罰則を与えることもあります。「他人から自然に従われる」リーダーと、「他人を支配する」ボスは根本的に違うといえるでしょう。

上司・マネージャーとリーダーの違い

日本のビジネスシーンで多用される「上司」は、立場を指す言葉です。対となる概念に部下があります。上司は部下よりも高い役職につき、指示を与える立場です。上司ー部下の文脈で使用されることが多いでしょう。

上司と同じく、マネージャーも立場や役割だと考えられるでしょう。管理職とも呼ばれるこの役割は、チームメンバーの業務管理や意思決定を行います。

一方でリーダーの定義は「フォロワーがいること」。つまり上司ー部下の関係やマネージャーや管理職などの役職に関わらず、誰もがリーダーとなる可能性があるのです。

リーダーに求められる5つの役割とは

リーダーに求められる役割とはどのようなものがあるのでしょうか。「チームのモチベーション向上」「ビジョンを描く」「人に任せて成果をあげる」などを含む5つの役割について、以下で詳しく解説します。

チームのモチベーションを上げる

リーダーに求められる役割の1つにチームのモチベーション向上があります。メンバーがモチベートされ、自律的にパフォーマンスをすれば組織の成果も上がるからです。

リーダーはモチベーション向上のため、働きやすい環境を整えたり、率先して行動する姿をみせたりすることが大切です。

チームで目指すビジョンを描く

チームの運営を円滑に進めるためにはビジョンが重要です。ビジョンとは「目指すべき目標」であり、これが決まっていなければ、チームはどこに向かって進んでいけばいいのかわからなくなります。

リーダーはプロジェクトの始めにビジョンを描き、そこから具体的な目標や方向性を伝えることが大切です。

人に任せチームで成果をだす

チームのメンバーを信頼し、仕事を任せることもリーダーの役割のひとつです。時には「自分がやったほうが早い」という仕事もあるかもしれません。しかしリーダーはすべてを自分で抱えず、メンバーに任せることが大切です。

そのためにはリーダーはメンバーそれぞれの個性を受け入れ、強みを把握することも求められます。メンバーが強みを活かして良いパフォーマンスをすれば、チームの成果につながっていくでしょう。

メンバーに共感し、心理的安全性をつくる

リーダーがメンバーに共感することは、チームの心理的安全性を生み出します。その結果、一人ひとりが意見を言ったり、仕事への悩みや不安を相談しやすい環境となります。そのためにはリーダーがメンバーの話を聞いて共感するだけではなく、時には自身の不安や心のうちをメンバーにさらけ出すことも必要でしょう。

利益だけではなく社会的視点で判断する

SDGsやESG投資への注目が高まるいま、リーダーには自社利益だけではなく「社会的な価値があるか」を軸に判断ができることも求められます。社会とともに自社が持続的な成長を果たすためには、どんな戦略を取るべきか?などの視点も持って意思決定することは、リーダーの大事な条件と言えるでしょう。

リーダーに必要な9つの条件

リーダーとして役割を果たすためには、さまざまな要素が求められます。ここからはP・ドラッカーによる定義も参考にーダーとなる人材に求められる9つの条件」について解説します。

メンバーの強みを見抜き、成果につなげる「観察力」

「仕事を任せる」役割があるリーダーは、メンバーの持つ強みや弱みを把握することが必要です。そのためには日頃の行動からメンバーの特性を見抜く観察力が求められてきます。

方向性やビジョンを伝える「発信力」

リーダーは周囲を巻き込みながら成果を上げていきます。その過程において周囲から共感してもらい、フォロワーをつくることが大切。優れたリーダーは自らの方向性やビジョンを伝えて人を引きつける発信力を備えています。

変化に対応できる「柔軟性」

変化の激しいVUCAの時代において、ビジネスをめぐる環境は日々変わっていきます。リーダーは変化をチャンスととらえ、柔軟に対応していくことが求められていきます。

相手との関係性を構築する「コミュニケーションスキル」

他人から信頼され、フォローされるリーダーはコミュニケーション能力が高いことも特徴です。相手の心情や期待を察知したり、状況に応じて適切にコミュニケーションを図ったりすることで、メンバーと良い関係性を構築できることがリーダーの条件として考えられます。

自分の価値観や軸に基づく「決断力」

リーダーは自身で決断をしチームの方向性を作る必要があります。そのためリーダーは揺らがない価値観や軸をしっかり持ち、正解がわからない状況でも決断をする力が求められてきます。

一歩先の未来も想像しながらアクションする「行動力」

リーダーはチームビルディングだけではなく、ビジョンを達成に向けた行動を起こす必要があります。また、変化の激しい時代においてリーダーは目の前の状況に対応するだけではなく、一歩先の将来まで想像して行動していくことが求められてきます。

最後に踏ん張れる「業務遂行能力」

事業を進めるにあたってトラブルはつきものです。リーダーはトラブルが発生しても踏ん張って、ビジョンの達成を目指すことが大切です。そのためには危機的な状況や大きなトラブルに陥っても逃げずに対処し、目標に向かって最後まで仕事をやりきる業務遂行能力が必要です。

チーム全体の責任を背負える「責任感」

ドラッカーも挙げたようにリーダーは自身だけでなくメンバーの行動や成果についても責任を持つことが必要です。責任感の強いリーダーのもとメンバーが伸び伸びと活躍することで、チームにとって最大限の成果につながるのです。

メンバーを育成しリーダーを増やす「育成能力」

リーダーは一人いればいいものではありません。メンバーそれぞれがリーダーシップを発揮して活躍することが、チームのパフォーマンス向上につながります。

そのためにはメンバーそれぞれに向き合い、強みを伸ばしたり弱みを克服したりするサポートを行うことが求められてきます。

次世代リーダーの育成については以下の記事でも紹介しています。参考にしてみてください。

求められる条件を揃え、役割を果たすリーダーへ

リーダーとは「フォロワーがいる人」であり、ビジネスにおいては立場や役職に関わらず誰もがなれるものです。優れたリーダーは上記であげた9つの条件を揃え、求められる5つの役割を果たせる人材だといえるでしょう。

NPO法人クロスフィールズは留職プログラムや社会課題体感フィールドスタディなど、リーダー育成につながるさまざまな事業を行っています。具体的な取り組みは公式noteやホームページでご紹介しています。ぜひ参考にしてください。


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